『週刊読書人』書評キャンパス欄の『孤島の飛来人』評
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『週刊読書人』1月13日号の書評キャンパス欄にて、『孤島の飛来人』が取り上げられました。同欄は、学生がおすすめの本を書評するコーナー。評者は東大大学院の新荘直大さんです。
一部を引用にてご紹介します。
本書がとりわけ興味深いのは、「書く」ことへの鋭い意識と、その相互性である。(中略)忘却に抗うように、伝え、書き残そうとする「僕」の業務日誌は、本書『孤島の飛来人』そのものと重なりあうかのようである。そのことによって、読者さえも相互性の一部となり、歴史の内部と外部のあわいで、慎ましく生きながらも、忘れ去られることに抵抗する彼らの証人のひとりとなるだろう。本書を読み、語ることは、彼らの生を引き継いでいく相互性のなかに参加していくことに他ならない。本を閉じたとき、不思議な感動と余韻とともに現れる風船を背に飛び立つひとりの飛来人の姿は、我々読者のことでもあるのだ。
書評キャンパス―大学生がススメる本― 孤島の飛来人(読書人WEB)
(ウェブ上では、サイトの会員向けコンテンツとして掲載されています)
【追記】
下記のサイトでも公開されています。
【孤島の飛来人/山野辺太郎】評者:新荘直大(YOMKA)