日芸「作家作品論」「エッセイ研究」でゲスト講師
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日本大学芸術学部(日芸)にて10月17日、「作家作品論Ⅰ」「エッセイ研究Ⅱ」のゲスト講師を務めてきました。
3限「作家作品論Ⅰ」では、佐藤述人先生との対談形式で、これまで執筆してきた小説のことをお話ししました。「いつか深い穴に落ちるまで」「孤島の飛来人」「恐竜時代が終わらない」「大観音の傾き」など、ほぼすべての発表作に言及したように思います。世の中から大きくずれた存在に心惹かれ、それが書くための想像の起点になる、といった話をしました。事前に谷村順一先生による「いつか深い穴に落ちるまで」の授業も実施されていたとのことで、学生の皆さんから寄せられた質問にもお答えしました。
授業のあいだの空き時間には、放送スタジオなど、学内の施設を見学させていただきました。
5限「エッセイ研究Ⅱ」では、石戸谷直紀先生の導きのもと、「釣り竿とおもり」(小説野性時代 ’20/4)、「北條君が過ごしたインド」(群像 ’19/2)を題材に、エッセイを書くことについてお話ししました。自分にとってエッセイとは、何かを主張するというより過去を見つめ直すための場なのだということを再認識した次第です。その場で「釣り竿とおもり」の全文を朗読するという一幕もありました。文章の書き方の例として、小説「こんとんの居場所」の冒頭も取り上げていただきました。ここで扱われた文章は、当ウェブサイトの作品倉庫に収載しています。
授業のあとには学生さんを交えた懇親会もありました。自身にも学びとなり、励ましを受けた一日でした。