混ざり合う恐さ
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『文藝春秋』新年特大号(12月8日発売)に掲載の〈2023年「わたしのベスト3」〉にて、綿矢りささんが選んだ3冊のなかに『こんとんの居場所』がありました。
「混ざり合う恐さ」と題された綿矢さんの文章の一部を引用にてご紹介します。
それぞれの人たちが、生きてきた記憶が、ある出来事によって混ざり合う過程が、とても怖く面白い。同時収録の「白い霧」も人間が白い霧になって消える怪現象を軸に物語が展開され、ヘンテコだけど奇妙な魅力にあふれた作品だ。すべてフィクションの内容だと思うが、現代社会で人々の抱える、ぼんやりした不安がフィクションの形を借りて反映されている二作品のようにも感じる。
混ざり合う恐さ 文藝春秋BOOK倶楽部特別編 2023年「わたしのベスト3」(文藝春秋)
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