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随筆・エッセイ

随筆・エッセイについてのお知らせ

短歌にまつわるエッセイを寄稿しました

投稿日:

 短歌誌『メルクマール・メルルマーク』にエッセイを寄稿しました。
 雨月茄子春さんの個人発行の雑誌です。
 エッセイの題名は「すみれを摘みに」。冒頭を引用にてご紹介します。

 すみれを摘みに春の野原に出かけたことがある。
 山道をしばらく歩いてゆくと、視界がひらけた。草の緑に、青紫の可憐な花。あたり一面、すみれが咲いていた。すみれのあいだを揺らぎながら飛ぶ白い羽、あちらには黒い羽、向こうにはだいだい色の羽、さまざまな色の蝶たちの姿が目に留まる。自分には羽がない。すみれをそっと踏んで歩いた。すみれ、すみれ、と心のうちで唱えてみる。須美礼、と文字を思い浮かべる。目に映る無数の小さなすみれたち。花に表情はあるのだろうか。微笑んでいるようにも感じられる。人の世に生きる憂さを忘れて、心が解きほぐされてゆく。何も知らぬ赤ん坊に還ってゆくようだった。

 2022年5月29日(日)開催の第三十四回文学フリマ東京にて頒布されます(越冬隊ブース・タ-10)。

 第三十四回文学フリマ東京
 https://bunfree.net/event/tokyo34/

 また、下記のサイトから通販でも購入できます。

 短歌誌「メルクマール・メルルマーク」(うげつなすはるのお店)
 https://ugetsunasuharu.booth.pm/items/3879284

『小説 野性時代』4月号にエッセイ「釣り竿とおもり」掲載

投稿日:

 

 『小説 野性時代』4月号(3月発売)に、エッセイ「釣り竿とおもり」が載りました。
 「私の黒歴史」というコーナーです。
 冒頭を引用にてご紹介します。

 僕が釣り竿をめぐる小事件を引き起こしたのは、小学一年の春の終わりごろだった。
 当時、僕は埼玉県の越谷市で暮らしていた。小学校入学をまえに、都内の古びた借家から、越谷の小さな中古住宅に引っ越してきたのだ。けれどもすぐに父の転勤があったので、この地で暮らしたのは小一の一学期、四ヶ月ほどに過ぎなかった。
(p.287)

 『小説 野性時代』4月号の紹介ページ
 https://www.kadokawa.co.jp/product/321901000098/

『UOMO』2020年1月号にエッセイ「幻のマフラー」掲載

投稿日:

 

 集英社のファッション誌『UOMO』2020年1月号〔’19/11/25発売〕に、エッセイ「幻のマフラー」が載りました。
 特集「僕らが本当に贈りたくなったもの」のなかの一ページです。
 冒頭を引用にてご紹介します。

 誕生日のプレゼントに、マフラーをもらったことがある。僕はそれを幻のマフラーと呼ぶ。短いあいだだけ、僕の首まわりに寄り添ってくれた。そしてふっつりと姿を消してしまった。
(p.171)

 『UOMO』2020年1月号の紹介サイト
 https://shueisha.tameshiyo.me/4910118810100

「Webジェイ・ノベル」にエッセイ「僕の選んだ鉄道で行ける秘湯ベスト3」掲載

投稿日:

 実業之日本社の文芸ウェブマガジン「Webジェイ・ノベル」より原稿依頼を受け、「私の○○ベスト3」というコーナーにエッセイを寄稿しました。
 「僕の選んだ鉄道で行ける秘湯ベスト3」という題名で、下記のサイトからお読みいただけます。

 リレーエッセイ 私の○○ベスト3(Webジェイ・ノベル)
 https://j-nbooks.jp/novel/original.php?oKey=88
〔目次ページ → 2019.07.30、Vol.24〕

『群像』2月号に随筆「北條君と過ごしたインド」掲載

投稿日:

 『群像』2019年2月号〔1月7日発売〕に随筆「北條君と過ごしたインド」を寄稿しました。
 冒頭を引用にてご紹介します。

 当面の命をつなぐためにインドへと旅立ったのは、ずいぶんとでたらめな行動だったようだけれど、いまもこうして生き延びているのだから、あながち悪い決断ではなかったに違いない。

 続きは雑誌にてお読みください。

 群像 2019年2月号 “もくじ”(講談社)
 http://gunzo.kodansha.co.jp/52563/52618.html




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