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2021年7月10日の記事

『文學界』『週刊読書人』『図書新聞』文芸時評の「恐竜時代が終わらない」評

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 『文學界』8月号〔7月7日発売〕の新人小説月評、『週刊読書人』7月9日号の〈文芸〉欄、『図書新聞』7月17日号〔7月10日発売〕の文芸時評で、「恐竜時代が終わらない」が取り上げられました。
 一部を引用にてご紹介します。

 デビュー作「いつか深い穴に落ちるまで」で地球に底のない穴を掘った山野辺太郎は、4作目となる「恐竜時代が終わらない」(學)で地球史を貫く針の穴を探し当てた。(中略)磯﨑憲一郎にも高く評された「小説を信じる力」が強く光って、書き手と読み手の道を照らす。得ることよりも失うことよりも、信じることは強くて辛くて、でもそこにはどうやらひみつの道具が隠されている。
(『文學界』鳥澤光さん評)

 山野辺太郎「恐竜時代が終わらない」(『文學界』)は人間/他の生命(恐竜!)、喰う/喰われる、生/死、愛/憎、等の境界を揺さぶり、今ここに在ることの〝業〟を明らめ=諦めている。
(『週刊読書人』川口好美さん評)

 山野辺太郎「恐竜時代が終わらない」(「文學界」)は、恐竜時代の記憶に自らの心性を同期させるというワンアイデアで二三〇枚を書ききった執念はあっぱれというしかない。星新一の「午後の恐竜」を想起したが、星作品とは異なり、山野辺作品は徹底的に「現在」を描くために恐竜が召喚されている。
(『図書新聞』岡和田晃さん評)




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