『恐竜時代が終わらない』発売しました!
新刊『恐竜時代が終わらない』が書肆侃侃房より発売となりました。
本の帯に、堀江敏幸さんから推薦の言葉を寄せていただきました。
やわらかい言葉と適度なペーソスで、作者は奇想を真実に変える。「恐竜時代」とは、人を信じるための胸のくぼみに積み重ねられた、記憶の帯だ。私たちの心の地層の底にもそれは眠っていて、あなたに掘り起こされる日を静かに待っている。
——堀江敏幸
装丁はアルビレオさん、装画はひうち棚さんがご担当くださいました。愛らしさとなつかしさ、そしてほのかな哀感が同居した、すてきな表紙カバーになったと思います。
帯の裏には、作品の紹介文が載っています。
「恐竜時代の出来事のお話をぜひ聞かせていただきたい」。ある日「世界オーラルヒストリー学会」から届いた一通の手紙には、こう記されていた。
少年時代に行方をくらました父が、かつてわたしに伝えた恐竜時代の記憶。語り継ぐ相手のいないまま中年となったわたしは、心のうちにしまい込んだ恐竜たちの物語――草食恐竜の男の子と肉食恐竜の男の子との間に芽生えた切ない感情の行方を、聴衆の前で語りはじめる。
食う者と食われる者、遺す者と遺される者のリレーのなかで繰り返される命の循環と記憶の伝承を描く長編小説。
表題作ほか、書き下ろし作品「最後のドッジボール」を収録。
リアルにファンタジーが溶け出し、新たな世界へと導く山野辺太郎の真骨頂!
表題作「恐竜時代が終わらない」は『文學界』’21年7月号に掲載。併録作「最後のドッジボール」は書き下ろしです。どちらも父と子をめぐる話でありつつ、長篇と短篇、「終わらない」と「最後」、埼玉県の西と東、というように対をなしているところもあります。
お読みいただけましたら幸いです。
YouTube「山野辺太郎チャンネル」では、冒頭朗読の動画を公開しています。試し聴きを、どうぞ。
山野辺太郎「恐竜時代が終わらない」作者による冒頭朗読(YouTube)
出版社の『恐竜時代が終わらない』紹介ページ(書肆侃侃房)
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