山野辺太郎のウェブサイト


報道・論評

山野辺太郎の小説などへの報道・論評

『小説トリッパー』文芸季評の「こんとんの居場所」評

投稿日:

 『小説トリッパー』2020年冬号〔12月18日発売〕の文芸季評で、「こんとんの居場所」が取り上げられました。評者は、中村真理子さんです。
 一部を引用にてご紹介します。

 わからないままの良さは確かにある。(中略)「こんとん」へと取材の旅に出る。わからないままそれに同化してゆく濃密な快楽がある

『図書新聞』文芸時評の「こんとんの居場所」評

投稿日:

 『図書新聞』2020年12月12日号〔12月5日発売〕の文芸時評で、「こんとんの居場所」が取り上げられました。評者は、岡和田晃さんです。
 文芸時評の見出しは「〈書くことの根拠〉を創造する地下茎の連帯」。一部を引用にてご紹介します。

 山野辺太郎「こんとんの居場所」(「小説トリッパー」)は、〈書くことの根拠〉を複数の場所に設置しなければ書けない類の壮大な幻想が展開されている。

『読売新聞』文芸月評の「こんとんの居場所」評

投稿日:

 『読売新聞』2020年9月29日朝刊の文芸月評で、「こんとんの居場所」が取り上げられました。評者は、待田晋哉さんです。

 恋する者の「空」を形に/古典と溶け合い 浮かぶ人の業 (読売新聞・文芸月評)
 (ウェブ上では、サイトの会員向けコンテンツとして掲載されています。一部を引用にてご紹介します)
 https://www.yomiuri.co.jp/culture/20200928-OYT8T50188/

 心の飢えを満たす、ふくよかな膨らみのある小説もあった。
 2018年の文芸賞でデビューした山野辺太郎さん(44)の「こんとんの居場所」(小説トリッパー秋季号)は、飛躍の一作だ。
 (中略)電車で房総の海辺の町を訪ね、「こんとん」なるものの正体を突き止めにゆくことになる。繰り出される話のえたいの知れなさ

金太郎飴

投稿日:

 磯﨑憲一郎さんの著書『金太郎飴』(河出書房新社、2019年12月)が発売になりました。2007年から2019年までのエッセイ・対談・評論・インタビューを収めた一冊。
 磯﨑さんと山野辺の対談「百年前の作家から励まされる仕事」(p.463)や、文藝賞選評(p.459)、朝日新聞文芸時評(p.421)にて、『いつか深い穴に落ちるまで』を取り上げていただいています。

 『金太郎飴』の紹介ページ
 http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309028514/

『小説トリッパー』文芸季評の「孤島の飛来人」評

投稿日:

 『小説トリッパー』2019年冬号〔12月18日発売〕の文芸季評で、「孤島の飛来人」が取り上げられました。評者は、中村真理子さんです。
 一部を引用にてご紹介します。

 飛ぶまでがデビュー作なら、飛んだ後を描いたのが二作目。島に流れ着き、牢屋に捕らわれた「僕」は、看守の大木から聞き取りを進め、徐々に島の成り立ちを理解してゆく。大木はかつて仙台から流れ着き、牢で横穴を掘っていた。いつか誰かが逃げ出すための横穴を。
 大木によって語られる島の歴史は、硫黄島の玉砕も含めて史実で驚く。人生の意味とは何か。与えられた使命を遂行することなのか。(中略)淡々とした役人文体が今作も似合っていてまた驚く。

『図書新聞』文芸時評の「孤島の飛来人」評

投稿日:

 『図書新聞』2019年12月14日号〔12月7日発売〕の文芸時評で、「孤島の飛来人」が取り上げられました。評者は、岡和田晃さんです。
 一部を引用にてご紹介します。

 デビュー作「いつか深い穴に落ちるまで」が、ヴェルヌ『地底旅行』のような(中略)“下”への物語だったとすれば、今度は『八十日間世界一周』を彷彿させる“上”への飛翔の物語であり、解放感において前作に勝る。リーダブルなのでつい物語と書いてしまったが、定型的な“物語”性への内在的批判はきちんと盛り込まれている。漂着する島も、自意識に囲われた“孤独の島”ではなく、硫黄島をめぐる歴史と周到にリンクする。

『いつか深い穴に落ちるまで』が「新人賞受賞作メッタ斬り!対談」に

投稿日:

 

 『ダ・ヴィンチ』2020年1月号〔’19年12月6日発売〕に掲載の「新人賞受賞作メッタ斬り!対談」にて、『いつか深い穴に落ちるまで』が取り上げられました。
 豊﨑由美さんと大森望さんの対談形式で、今年9月までの1年間に刊行された新人賞受賞作から選定された「推しの6冊」のうちの1冊として論じられています。
 一部を引用にてご紹介します。

 この作者はそんな科学的根拠を一切合切振り切って一本の小説を書いちゃった。その胆力に恐れ入りました。
(中略)
〈頭から落ちるか、足から落ちるか。もちろん、頭だ。頭から突っ込んでゆけば、あちらへ着いたころにはきちんと足が下になっている。真っ昼間から、真夜中へ〉。なんだか感動的。このあと、素晴らしいラストに向かいます。
(豊﨑由美さん談)

 『ダ・ヴィンチ』2020年1月号【目次】(KADOKAWA)
 https://ddnavi.com/news/581378/a/

『文學界』新人小説月評の「孤島の飛来人」評

投稿日:

 『文學界』2019年12月号〔11月7日発売〕の「新人小説月評」で、「孤島の飛来人」が取り上げられました。評者は、小川公代さんと村上克尚さんです。
 一部を引用にてご紹介します。

 企業の開発部門の実験として風船飛行を試みた『僕』が北硫黄島に不時着するという極めてユニークな設定(中略)。戦時中に硫黄島から逃れた兵士が先導して築いた王国の物語は歴史小説としての魅力もある。
(小川公代さん評)

 筋立ては荒唐無稽だが、歴史に書かれなかった声が一つの主題となっている。(中略)通常はなかったことにされてしまうような存在や言葉が、それでも未来の誰かに向けて飛び立っていくことが寓意化されていると読んだ。
(村上克尚さん評)

そっとページをめくる 読むことと考えること

投稿日:

 野矢茂樹さんの著書『そっとページをめくる 読むことと考えること』(岩波書店、2019年7月発行)に、『いつか深い穴に落ちるまで』の書評が掲載されています。
 かつて朝日新聞に載った書評に、野矢さんの直筆らしき、山梨ブラジル間の穴のイラストも加わっています。

 『そっとページをめくる 読むことと考えること』の紹介ページ
 https://www.iwanami.co.jp/book/b458088.html

街の誇りと魅力を生みだす 宮城の100人

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 仙台・宮城の情報誌『Kappo 仙台闊歩』2019年7月号(6月5日発売、隔月刊)の創刊100号記念特集「街の誇りと魅力を生みだす 宮城の100人」のなかで、人物紹介の記事が掲載されました。(見出し「『いつか深い穴に落ちるまで』で文藝賞受賞。次作も楽しみな新鋭」)
 宮城県内の書店・コンビニや、一部県外の書店、ネット書店等で発売。
 一部を引用にてご紹介します。

 SF的といってもいいなんともぶっ飛んだ小説だが、東日本大震災に関する記述もある。巨大な国家プロジェクトは、福島第一原発事故を思わせもする。「東京でずっと暮らしていますが、やはりぼくは自分を東北人だと思っています。東日本大震災の経験が作品にどこか影響しているのは確かです」と、山野辺さん。新たなる東北人作家の誕生である。




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