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「大観音の傾き」連載完結

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 『河北新報』掲載の連載小説「大観音の傾き」が最終回を迎えました。
 2024年4月7日の第1回から9月29日の第26回まで毎週日曜朝刊、樋口佳絵さんの挿絵とともに、読書面(「東北の文芸」面)での連載でした。半年間のご愛顧、ありがとうございました。

 各回、冒頭に小見出しをつけていました。これは作中のフレーズをそのまま抜き出したものです。各回の掲載日と小見出しの一覧を以下に掲げます。

第1回(4月7日)傾いているのか、いないのか
第2回(4月14日)目視では傾きを確認できず
第3回(4月21日)苦しく感じる夜もある
第4回(4月28日)煙のなかに呑み込まれるように
第5回(5月5日)平穏な日常の担い手になりたい
第6回(5月12日)人間は互いに仕事を作り出す
第7回(5月19日)ここさ立ちつづけねばなんねのさ
第8回(5月26日)見知らぬ場所をほっつき歩きたい
第9回(6月2日)大観音の使者になる
第10回(6月9日)絶頂には終わりがあった
第11回(6月16日)わたしたちは見つめ合っていた
第12回(6月23日)コーヒーミルで豆を挽く
第13回(6月30日)人間からタンポポへ
第14回(7月7日)想像することしかできない
第15回(7月14日)爆破だなんてとんでもない
第16回(7月21日)着地点はここだぞ
第17回(7月28日)大きなおかた同士
第18回(8月4日)これが対応策です
第19回(8月11日)わたしだって飛べる
第20回(8月18日)頭のなかをのぞいてみたい
第21回(8月25日)きっと誰だって押してみたくなる
第22回(9月1日)断然ペタンク
第23回(9月8日)ポケットから笛を取り出す
第24回(9月15日)海だけは、ずっと
第25回(9月22日)静かな祭り
第26回(9月29日)夜明けの光に包まれて

 この連載は新聞紙面のほか、オンラインでも公開されました。下記のバックナンバー一覧から、無料の会員登録で1日1回分まで全文が読めます。

 【ニュース】大観音の傾き(河北新報オンライン)
 https://kahoku.news/tag/大観音の傾き

『恐竜時代が終わらない』発売しました!

投稿日:

 

 新刊『恐竜時代が終わらない』が書肆侃侃房より発売となりました。
 本の帯に、堀江敏幸さんから推薦の言葉を寄せていただきました。

 やわらかい言葉と適度なペーソスで、作者は奇想を真実に変える。「恐竜時代」とは、人を信じるための胸のくぼみに積み重ねられた、記憶の帯だ。私たちの心の地層の底にもそれは眠っていて、あなたに掘り起こされる日を静かに待っている。
——堀江敏幸

 装丁はアルビレオさん、装画はひうち棚さんがご担当くださいました。愛らしさとなつかしさ、そしてほのかな哀感が同居した、すてきな表紙カバーになったと思います。
 帯の裏には、作品の紹介文が載っています。

「恐竜時代の出来事のお話をぜひ聞かせていただきたい」。ある日「世界オーラルヒストリー学会」から届いた一通の手紙には、こう記されていた。
 少年時代に行方をくらました父が、かつてわたしに伝えた恐竜時代の記憶。語り継ぐ相手のいないまま中年となったわたしは、心のうちにしまい込んだ恐竜たちの物語――草食恐竜の男の子と肉食恐竜の男の子との間に芽生えた切ない感情の行方を、聴衆の前で語りはじめる。
 食う者と食われる者、遺す者と遺される者のリレーのなかで繰り返される命の循環と記憶の伝承を描く長編小説。
 表題作ほか、書き下ろし作品「最後のドッジボール」を収録。
 リアルにファンタジーが溶け出し、新たな世界へと導く山野辺太郎の真骨頂!

 表題作「恐竜時代が終わらない」は『文學界』’21年7月号に掲載。併録作「最後のドッジボール」は書き下ろしです。どちらも父と子をめぐる話でありつつ、長篇と短篇、「終わらない」と「最後」、埼玉県の西と東、というように対をなしているところもあります。
 お読みいただけましたら幸いです。

 YouTube「山野辺太郎チャンネル」では、冒頭朗読の動画を公開しています。試し聴きを、どうぞ。

 山野辺太郎「恐竜時代が終わらない」作者による冒頭朗読(YouTube)
 https://youtube.com/watch?v=i2yoldshOUs

 出版社の『恐竜時代が終わらない』紹介ページ(書肆侃侃房)
 http://www.kankanbou.com/books/novel/0625

 『恐竜時代が終わらない』を書店サイトで探す
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新刊『恐竜時代が終わらない』、2024年5月中旬発売!

投稿日:

 2024年5月中旬、小説単行本『恐竜時代が終わらない』(書肆侃侃房)が発売となります。
 表題作は『文學界』’21年7月号に掲載。書き下ろしの「最後のドッジボール」と併せて、父と子をめぐる長短二篇を収めました。

◇恐竜時代が終わらない
 世界オーラルヒストリー学会からの招きを受けて、男は胸のうちに秘めてきた「恐竜時代の出来事」を恐る恐る語りだす。

「僕に、咬みついてもいいんだよ」
(「恐竜時代が終わらない」より)

◇最後のドッジボール
 子供のころに聞いた、ドッジボールにまつわる父の秘密。大人になった「僕」は、ふたたび秘密の扉のまえに立つ。

「それは知らない。お父さんに訊いてみれば?」
(「最後のドッジボール」より)

 当サイトの「作品倉庫」に「恐竜時代が終わらない(冒頭)」を掲載しています。
 下記リンク先のYouTubeでは、朗読動画を公開中です。

 山野辺太郎「恐竜時代が終わらない」作者による冒頭朗読(YouTube)
 https://youtube.com/watch?v=i2yoldshOUs

 出版社の『恐竜時代が終わらない』紹介ページ(書肆侃侃房)
 http://www.kankanbou.com/books/novel/0625

 『恐竜時代が終わらない』を書店サイトで探す
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「大観音の傾き」河北新報で連載開始

投稿日:

 『河北新報』4月7日朝刊に、連載小説「大観音の傾き」第1回《傾いているのか、いないのか》が載りました。
 冒頭を引用にてご紹介します。

 東北の大きな街の丘のうえに、白くて異様に巨大なものがそびえ立っている。全身純白の大観音だ。そのすぐ近くまで、ついに修司はやってきた。
 真正面に立って視線をゆっくり傾けてゆくと、ほとんど真上を見るくらいに至ったところで、ようやく巨像の顔に行き着いた。思わず、ため息が漏れる。こんなに近づいても、顔まではまだ遠い。ふっくらとしてつややかな頬の白さに、呆然と目を向けていた。
 丘に立つ大観音は、ずっと離れたところからでもよく見えた。修司もこの街で暮らしはじめて以来、ときおり視界に姿を認めてきた。あるときは駅前の三十階を超すビルの展望台から、またあるときは古城の跡の青葉が茂る山のうえから、遠くを眺めていた折のことだ。ニュータウンの街並みと山林の入り交じる景色に少しも溶け込むことなく、真っ白に屹立した存在が、違和感とともに目に飛び込んできたものだった。

 仙台に実在する高さ百メートルの大観音をモチーフとした小説です。毎週日曜、読書面(「東北の文芸」面)での連載となります。
 樋口佳絵さんご担当の挿絵にも、ぜひご注目いただけたらと思っています。
 下記のオンライン版でも、無料の会員登録で全文が読めます。

 〈大観音の傾き(1)〉傾いているのか、いないのか 山野辺太郎(河北新報オンライン)
 https://kahoku.news/articles/20240407khn000015.html

 今後、第2回以降も下記のバックナンバー一覧から読めます。

 【ニュース】大観音の傾き(河北新報オンライン)
 https://kahoku.news/tag/大観音の傾き

『こんとんの居場所』冒頭朗読の動画をYouTubeで公開

投稿日:

 デビュー以来3冊目の単行本『こんとんの居場所』(国書刊行会)の刊行を記念して、冒頭朗読の動画をYouTube「山野辺太郎チャンネル」にて公開しました。

 「渾沌島取材記者/経験不問要覚悟/長期可薄給裸有」

 山野辺太郎「こんとんの居場所」作者による冒頭朗読(YouTube)
 https://youtube.com/watch?v=_LIl3bQMAzs

 下記のサイトにて、他の発表作の冒頭朗読も公開中です。

 山野辺太郎チャンネル(YouTube)
 https://youtube.com/c/yamanobe_taro

『こんとんの居場所』発売しました!

投稿日:

 新刊『こんとんの居場所』が国書刊行会より発売となりました。

 謎の生命体「こんとん」の取材記者として調査船に乗り込んだ男女。たどり着いた島=こんとんの上で、二人が見たものとは……。(「こんとんの居場所」)

 防衛省のシステムに侵入した天才少年ハッカーが開いたのは、人類を“次の段階”に進める禁断の扉だった。人々が次々と人間の姿を失っていく中、ある親子が再会する。(「白い霧」)

 それは滅びか、救済か――。
 文藝賞受賞作『いつか深い穴に落ちるまで』(2018)、『孤島の飛来人』(2022)に続く、現代文学の異才による最新作品集!
(hanmoto.comの紹介文より)

 赤坂真理さんとラランド・ニシダさんより、推薦の言葉を寄せていただきました。本の帯に記載された言葉を引用にてご紹介します。

 退屈な日常から、非日常にグラデーションで少しずつ染まっていく感覚。読書の喜びの根源に触れた気がする。
ニシダ(ラランド)

 するする運ばれていくうちに思いがけないところにいて、たとえそれが破滅かもしれなくても、笑えてしまう。ああ、言葉にだけ可能な、こんな旅があるのだ。
赤坂真理(作家)

 装丁は森敬太さん、装画はnico itoさんがご担当され、魅惑的な表紙カバーとなりました。表紙と裏表紙で絵柄が微妙に異なっています。本を手に取り、帯をそっと外して、じっくりと眺めていただけましたらと思います。

 表題作「こんとんの居場所」に「白い霧」を加えた中篇二作の作品集。どちらも広い意味での変身譚となっています。
 お読みいただけましたら幸いです。

 発売に合わせて、『こんとんの居場所』のPOPを作ってみました。
 右側は本文に出てくる三行広告からの引用です。ここから主人公の旅路が始まります。
 書店での本のPR用などに、画像をダウンロードしてご自由にお使いください。
 印刷して枠線で折りたたむと、はがきサイズになります。

 『こんとんの居場所』POP(JPEGデータ)
 https://yamanobe-taro.jp/img/conton-pop-230418.jpg

 出版社の『こんとんの居場所』紹介ページ(国書刊行会)
 https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336074720/

 『こんとんの居場所』書誌データ(版元ドットコム)
 https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784336074720

 『こんとんの居場所』を書店サイトで探す
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新刊『こんとんの居場所』、2023年4月18日ごろ発売!

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 2023年4月18日ごろ、小説単行本『こんとんの居場所』(国書刊行会)が発売となります。
 表題作は『小説トリッパー』’20年秋号に掲載された作品です。単行本化に際し、加筆修正をおこないました。
 さらに書き下ろしの「白い霧」を併録。人間の変容の可能性を探る二篇を収めた作品集です。

◇こんとんの居場所
 「渾沌島取材記者」を募集する三行広告にいざなわれ、青年は旅立った。旅路の果てに、青年はいかなる場所にたどり着くのか。

  いいんだよ、これで。なくなったんじゃなくて、変化しただけ。
(「こんとんの居場所」より)

◇白い霧
 家にこもってプログラミングとハッキングにいそしむ少年がいた。ネット空間の奥深くで、少年は不思議なメッセージに出会う。

  みんな蒸発。やっちゃう?[Yes/No]
(「白い霧」より)

 当サイトの「作品倉庫」に「こんとんの居場所(冒頭)」を掲載しています。

 なお、版元ドットコムによると4月18日が発売予定日となっていますが、各書店での発売日は配送状況等によって幅があるようです。

 出版社の『こんとんの居場所』紹介ページ(国書刊行会)
 https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336074720/

 『こんとんの居場所』書誌データ(版元ドットコム)
 https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784336074720

 『こんとんの居場所』を書店サイトで探す
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『孤島の飛来人』発売しました!

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 新刊『孤島の飛来人』が中央公論新社より発売となりました。

「飛ぶのが、怖いの?」
 仕事で空を飛んで、この島にやってきた「僕」に人生2度目の決行のときが近づく。
 無人のはずの北硫黄島に住む人々、戦争の記憶、看守と囚人、6色の風船……。人はなぜ飛ぼうとするのか、そして飛ぼうとしないのか。
 文藝賞受賞第1作に書き下ろし「孤島をめぐる本と旅」を収録
(hanmoto.comの紹介文より)

 デビュー作『いつか深い穴に落ちるまで』以来、2冊目の単行本刊行です。
 雑誌掲載作「孤島の飛来人」を加筆改稿し、さらに短篇「孤島をめぐる本と旅」を加えることで、単行本『孤島の飛来人』ができました。
 どちらも小笠原諸島をおもな舞台とした小説です。
 本を手に取って、お読みいただけましたら幸いです。

 当サイトの「作品倉庫」に「孤島の飛来人(冒頭)」を掲載しています。

 『孤島の飛来人』を書店サイトで探す
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 出版社の『孤島の飛来人』紹介ページ(中央公論新社)
 https://www.chuko.co.jp/tanko/2022/08/005563.html

 『孤島の飛来人』書誌データ(版元ドットコム)
 https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784120055638

『孤島の飛来人』冒頭朗読の動画をYouTubeで公開

投稿日:

 デビュー作に続く2冊目の単行本『孤島の飛来人』(中央公論新社)の刊行を記念して、冒頭朗読の動画をYouTube「山野辺太郎チャンネル」にて公開しました。

 「決行のときが迫っていた。充分な準備が整っていたとはいいがたく、見切り発車という言葉こそがふさわしかった」

 山野辺太郎「孤島の飛来人」作者による冒頭朗読(YouTube)
 https://www.youtube.com/watch?v=NNJCBUXcGzw

新刊『孤島の飛来人』、2022年8月22日ごろ発売!

投稿日:

 

 小説単行本『孤島の飛来人』が中央公論新社より、2022年8月22日ごろ発売となります。

 六つの大きな風船にぶら下がり、横浜のビルの屋上から飛び立った男がいた。男は自動車メーカーの若手社員。目指していたのは、小笠原諸島の父島だった。見知らぬ浜辺に打ち上げられて、囚われ人となった男がたどる、数奇な運命。人が住まないはずの北硫黄島に、知られざる国が成り立っていた……。

 表題作は『文藝』’19年冬号に文藝賞受賞第一作として掲載された作品です。単行本化に際し、加筆修正をおこなっています。
 さらに書き下ろしの短篇小説「孤島をめぐる本と旅」を併録。

 僕はいま、凧だろうか。いや、人間アドバルーンだ。いったい何を宣伝しているんだろう。人間の、可能性を? それとも、愚かさを?
(「孤島の飛来人」より)

 当サイトの「作品倉庫」に「孤島の飛来人(冒頭)」を掲載しています。

 『孤島の飛来人』を書店サイトで探す
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 『孤島の飛来人』書誌データ(版元ドットコム)
 https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784120055638




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