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小説などに関するお知らせブログ

『恐竜時代が終わらない』著者インタビューの動画がYouTubeで公開されました

投稿日:

 新刊『恐竜時代が終わらない』(書肆侃侃房)著者インタビューの動画が公開されました。福岡の版元・書肆侃侃房の直営書店「本のあるところ ajiro」にて撮影したものです。ご覧いただけますと幸いです。

 「なんでお父さんは恐竜時代の話を知ってるの、っていうと……」

 山野辺太郎『恐竜時代が終わらない』著者の語る本書の魅力(YouTube「書肆侃侃房/本のあるところ ajiro」チャンネル)
 https://youtube.com/watch?v=4RNT3IgQhyM

『週刊文春』に『恐竜時代が終わらない』の書評が載りました

投稿日:

 

 『週刊文春』5月30日号(5月23日発売)の「文春図書館 今週の必読」コーナーに、『恐竜時代が終わらない』の書評が載りました。評者は左沢森さんです。
 一部を引用にてご紹介します。

《恐竜時代の出来事のお話をぜひ聞かせていただきたい》。世界オーラルヒストリー学会の蓮田由理子なる人物から、奇妙な依頼を受けた岡島謙吾。恐竜時代の出来事というのは、かつて謙吾の父が夜な夜な語り聞かせてくれたジュラ紀のストーリーだ。父もまたその父から聞き繋いだという太古から伝わる物語の噂は、なぜか遠く九州までも届いているそう。謙吾は都内の学会でわずかな聴衆に向けて語り始める。ブラキオサウルスのエミリオ、アロサウルスのガビノらが登場する魅力的な恋物語は、謙吾自身が「絶えず修繕を重ね」たと言うように、語り手の個人史をどこか反映しているように見える。
 最後にどんな結末が待っていようと、こうして恐竜時代の記憶は終わらずに、引き継がれていくことになる。恐竜が恐竜を食べるように、血や肉になり栄養分となって種族を超えていく。(中略)
 冒頭の時点には戻らずに、どこか投げっぱなしに終わっていくラストがいい。山野辺太郎の語りは物語的円環の中に閉じることなく、誰かに語り直されることを待っているようだ。

 「文春オンライン」の下記ページにて全文をお読みいただけます。

 父が夜な夜な語り聞かせてくれた「魅力的な恋物語」そこに現れた“ごく個人的な記憶”とは…/左沢森が『恐竜時代が終わらない』(山野辺太郎 著)を読む〔文春オンライン〕
 https://bunshun.jp/articles/-/70993

『恐竜時代が終わらない』発売しました!

投稿日:

 

 新刊『恐竜時代が終わらない』が書肆侃侃房より発売となりました。
 本の帯に、堀江敏幸さんから推薦の言葉を寄せていただきました。

 やわらかい言葉と適度なペーソスで、作者は奇想を真実に変える。「恐竜時代」とは、人を信じるための胸のくぼみに積み重ねられた、記憶の帯だ。私たちの心の地層の底にもそれは眠っていて、あなたに掘り起こされる日を静かに待っている。
——堀江敏幸

 装丁はアルビレオさん、装画はひうち棚さんがご担当くださいました。愛らしさとなつかしさ、そしてほのかな哀感が同居した、すてきな表紙カバーになったと思います。
 帯の裏には、作品の紹介文が載っています。

「恐竜時代の出来事のお話をぜひ聞かせていただきたい」。ある日「世界オーラルヒストリー学会」から届いた一通の手紙には、こう記されていた。
 少年時代に行方をくらました父が、かつてわたしに伝えた恐竜時代の記憶。語り継ぐ相手のいないまま中年となったわたしは、心のうちにしまい込んだ恐竜たちの物語――草食恐竜の男の子と肉食恐竜の男の子との間に芽生えた切ない感情の行方を、聴衆の前で語りはじめる。
 食う者と食われる者、遺す者と遺される者のリレーのなかで繰り返される命の循環と記憶の伝承を描く長編小説。
 表題作ほか、書き下ろし作品「最後のドッジボール」を収録。
 リアルにファンタジーが溶け出し、新たな世界へと導く山野辺太郎の真骨頂!

 表題作「恐竜時代が終わらない」は『文學界』’21年7月号に掲載。併録作「最後のドッジボール」は書き下ろしです。どちらも父と子をめぐる話でありつつ、長篇と短篇、「終わらない」と「最後」、埼玉県の西と東、というように対をなしているところもあります。
 お読みいただけましたら幸いです。

 YouTube「山野辺太郎チャンネル」では、冒頭朗読の動画を公開しています。試し聴きを、どうぞ。

 山野辺太郎「恐竜時代が終わらない」作者による冒頭朗読(YouTube)
 https://youtube.com/watch?v=i2yoldshOUs

 出版社の『恐竜時代が終わらない』紹介ページ(書肆侃侃房)
 http://www.kankanbou.com/books/novel/0625

 『恐竜時代が終わらない』を書店サイトで探す
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 『恐竜時代が終わらない』関連記事一覧
 https://yamanobe-taro.jp/?s=恐竜時代が終わらない

新刊『恐竜時代が終わらない』、2024年5月中旬発売!

投稿日:

 2024年5月中旬、小説単行本『恐竜時代が終わらない』(書肆侃侃房)が発売となります。
 表題作は『文學界』’21年7月号に掲載。書き下ろしの「最後のドッジボール」と併せて、父と子をめぐる長短二篇を収めました。

◇恐竜時代が終わらない
 世界オーラルヒストリー学会からの招きを受けて、男は胸のうちに秘めてきた「恐竜時代の出来事」を恐る恐る語りだす。

「僕に、咬みついてもいいんだよ」
(「恐竜時代が終わらない」より)

◇最後のドッジボール
 子供のころに聞いた、ドッジボールにまつわる父の秘密。大人になった「僕」は、ふたたび秘密の扉のまえに立つ。

「それは知らない。お父さんに訊いてみれば?」
(「最後のドッジボール」より)

 当サイトの「作品倉庫」に「恐竜時代が終わらない(冒頭)」を掲載しています。
 下記リンク先のYouTubeでは、朗読動画を公開中です。

 山野辺太郎「恐竜時代が終わらない」作者による冒頭朗読(YouTube)
 https://youtube.com/watch?v=i2yoldshOUs

 出版社の『恐竜時代が終わらない』紹介ページ(書肆侃侃房)
 http://www.kankanbou.com/books/novel/0625

 『恐竜時代が終わらない』を書店サイトで探す
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「大観音の傾き」河北新報で連載開始

投稿日:

 『河北新報』4月7日朝刊に、連載小説「大観音の傾き」第1回《傾いているのか、いないのか》が載りました。
 冒頭を引用にてご紹介します。

 東北の大きな街の丘のうえに、白くて異様に巨大なものがそびえ立っている。全身純白の大観音だ。そのすぐ近くまで、ついに修司はやってきた。
 真正面に立って視線をゆっくり傾けてゆくと、ほとんど真上を見るくらいに至ったところで、ようやく巨像の顔に行き着いた。思わず、ため息が漏れる。こんなに近づいても、顔まではまだ遠い。ふっくらとしてつややかな頬の白さに、呆然と目を向けていた。
 丘に立つ大観音は、ずっと離れたところからでもよく見えた。修司もこの街で暮らしはじめて以来、ときおり視界に姿を認めてきた。あるときは駅前の三十階を超すビルの展望台から、またあるときは古城の跡の青葉が茂る山のうえから、遠くを眺めていた折のことだ。ニュータウンの街並みと山林の入り交じる景色に少しも溶け込むことなく、真っ白に屹立した存在が、違和感とともに目に飛び込んできたものだった。

 仙台に実在する高さ百メートルの大観音をモチーフとした小説です。毎週日曜、読書面(「東北の文芸」面)での連載となります。
 樋口佳絵さんご担当の挿絵にも、ぜひご注目いただけたらと思っています。
 下記のオンライン版でも、無料の会員登録で全文が読めます。

 〈大観音の傾き(1)〉傾いているのか、いないのか 山野辺太郎(河北新報オンライン)
 https://kahoku.news/articles/20240407khn000015.html

 今後、第2回以降も下記のバックナンバー一覧から読めます。

 【ニュース】大観音の傾き(河北新報オンライン)
 https://kahoku.news/tag/大観音の傾き

『河北新報』に連載開始のインタビュー記事が載りました

投稿日:

 『河北新報』4月3日付朝刊の文化面に、連載小説「大観音の傾き」開始にあたってのインタビュー記事が掲載されました。見出しは「孤独に屹立 自分と重なる」。ご執筆は同紙記者の菊地弘志さんです。
 山野辺の発言箇所の一部を引用にてご紹介します。「なぜ仙台大観音を取り上げたのでしょうか」という質問に答えた箇所です。

「市西部の新興住宅地に引っ越したのが高校に入った1991年春。その秋に大観音が完成し、そう遠くない距離に大観音の姿が見えました。山の中、ニュータウンの片隅に、巨大な白い像が屹立しているのです。強烈な異彩に戸惑いつつも目を離せませんでした」
「本来ありがたい存在なのでしょうが、違和感を伴って圧倒的な大きさで視界に入る大観音に、この世になじめないでいる寂しさも感じられ、高校時代の自分とどこか重なるようなところもありました。進学で仙台を離れた後も心に残っていたのです」

 連載は4月7日より毎週日曜、読書面の一角(「東北の文芸」面)に掲載されます。

 連載小説「大観音の傾き」4月7日開始 山野辺太郎さんが抱負(河北新報オンライン)
 (ウェブ上では、サイトの会員向けコンテンツとして掲載されています)
 https://kahoku.news/articles/20240403khn000014.html

『書評キャンパスat読書人 2022』にコメントを寄せました

投稿日:

 

 『書評キャンパスat読書人 2022』が2024年2月20日に発売となりました。
 「週刊読書人」掲載の学生による書評と、著者・訳者・編集者からのアンサーコメントを集めた一冊です。
 新荘直大さんによる『孤島の飛来人』の書評を受けて、著者コメントを寄稿しました。
 下記のBooksのページに、書店の購入ページ等へのリンクがあります。

 『書評キャンパスat読書人 2022』書誌データ(Books)
 https://www.books.or.jp/book-details/9784924671645

 書評本体は下記のサイトでも公開されています。

 【孤島の飛来人/山野辺太郎】評者:新荘直大(YOMKA)
 https://yomka.net/campus20230113/

混ざり合う恐さ

投稿日:

 

 『文藝春秋』新年特大号(12月8日発売)に掲載の〈2023年「わたしのベスト3」〉にて、綿矢りささんが選んだ3冊のなかに『こんとんの居場所』がありました。
 「混ざり合う恐さ」と題された綿矢さんの文章の一部を引用にてご紹介します。

 それぞれの人たちが、生きてきた記憶が、ある出来事によって混ざり合う過程が、とても怖く面白い。同時収録の「白い霧」も人間が白い霧になって消える怪現象を軸に物語が展開され、ヘンテコだけど奇妙な魅力にあふれた作品だ。すべてフィクションの内容だと思うが、現代社会で人々の抱える、ぼんやりした不安がフィクションの形を借りて反映されている二作品のようにも感じる。

 混ざり合う恐さ 文藝春秋BOOK倶楽部特別編 2023年「わたしのベスト3」(文藝春秋)
 (ウェブ上では、サイトの会員向けコンテンツとして掲載されています)
 https://bunshun.jp/bungeishunju/articles/h7397

『みやざきぽかぽかたんか』に寄稿しました

投稿日:

 短歌誌『みやざきぽかぽかたんか』に短歌を寄稿しました。
 みやざきぽかぽか通信社・井口寿則さん発行の雑誌です。俵万智さんをはじめ、宮崎ゆかりのかたがたの短歌やエッセイが収められています。
 僕も去年、宮崎を訪れたご縁でお声がけいただきました。巻末特集「夏のうた」に、「恐竜の……」で始まる短歌を寄稿しています。

 2023年11月11日(土)開催の文学フリマ東京37や、11月26日(日)に宮崎で開催されたZine it!にて頒布されました。
 また、下記のサイトから通販でも購入できます。

 みやざきぽかぽかたんか(みやざきぽかぽか通信社)
 https://ugetsunasuharu.booth.pm/items/5246493

自我&身体の拡張と消滅

投稿日:

 『東京新聞/中日新聞』8月5日付朝刊読書面に、『こんとんの居場所』の書評が掲載されました。評者は豊崎由美さんです。見出しは「自我&身体の拡張と消滅」。
 一部を引用にてご紹介します。

 穴を掘って日本とブラジルを直線で結ぶまでを描いた『いつか深い穴に落ちるまで』。二〇一八年、そんなトンデモ奇想小説で作家デビューしたのが山野辺太郎だ。
 最新作品集『こんとんの居場所』の表題作もかなりユニークな小説といっていい。(中略)二人がそこで何を体験するかは読んでのお楽しみだけれど、読めばわかるのは、これが自我&身体の拡張と他者との同化についての物語だということだ。
 一方、自我&身体の消滅と他者との同化について描かれているのが、併録の「白い霧」。(中略)
 「こんとん」とは何なのか。作中で〈生命の進化の極限状態〉と示される「蒸発」のメカニズムはどうなっているのか。作者は科学的見解を一切示さず、力技でこの二つの不可思議な物語を立ち上げている。でもハードSFじゃないのだから、それでいい。重要なのは一見バカバカしい物語の底の底に横たわっている自我や生命という命題に向ける哲学的な問いだ。笑いながら考えさせられる。山野辺太郎は本当に不思議な小説家だ。

 下記サイトで全文が公開されています。

 〈書評〉『こんとんの居場所』山野辺太郎 著(東京新聞)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/268045

『本の雑誌』で『こんとんの居場所』が紹介されました

投稿日:

 『本の雑誌』8月号(7月12日発売)の「新刊めったくたガイド」のコーナーで、『こんとんの居場所』が紹介されました。ご執筆は松井ゆかりさんです。
 一部を引用にてご紹介します。

 たいへんなおかしみに満ちた作品であるのは間違いないことながら、どういった内容であるかを説明するのは非常に難しいのが、山野辺太郎『こんとんの居場所』(国書刊行会一九〇〇円)。まずは謎に満ちたブックデザインからご堪能いただきたい(帯の読みづらさ・タイトルその他の文字の小ささ含む)。
(中略)本書の魅力は要約をはみ出した部分にもあるといえよう。もの悲しくも晴れやか、無常観めいたものが根底にありつつ幸福感も漂うという、本来は同時に存在しないような性質のものが自然に融合した読み心地なのだ。とにかくお読みになって味わっていただきたいとしかいえない。
 併録の「白い霧」もまた素晴らしく、こちらはよりSF色(!)が感じられる作品。

 今月の本の雑誌 2023年8月 梅仕事待望号 No.482(本の雑誌社)
 http://www.webdoku.jp/honshi/2023/8-230703130515.html

【追記】
 下記のサイトで全文が公開されました。『こんとんの居場所』を含む4冊が紹介されています。

 新刊めったくたガイド(WEB本の雑誌)
 https://www.webdoku.jp/mettakuta/matsui_yukari/20230818080000.html

『クロワッサン』で『こんとんの居場所』が取り上げられました

投稿日:

 

 『クロワッサン』7月25日号(7月10日発売)の「本を読んで、会いたくなって。」のコーナーに、『こんとんの居場所』の紹介記事が掲載されました。文は鳥澤光さん、写真は石渡朋さんです。
 一部を引用にてご紹介します。

 これまでの作品で、日本からブラジルへ地球を貫く穴を掘り、風船を背に海上を飛び、ジュラ紀の森を恐竜の目で眺めては、奇妙であたたかい物語で読者を驚かせてきた山野辺太郎さん。『こんとんの居場所』という小説はどのように生まれたのだろう。
「作品の原型から数えると15年ほど前から少しずつ書き、育ててきた小説です。発端は『荘子』の〈渾沌七竅(しちきょう)に死す〉を読み、荘子の考えるスケールの広大さと自由さに惹かれたことでした。(中略)『荘子』が好きで何度も読んでいるのですが、短い寓話というか奇想天外な話が集められていて、荘子は僕にとってホラ話の大先輩でもあります」

 Croissant No. 1097(マガジンハウス)
 https://magazineworld.jp/croissant/croissant-1097/

【追記】
 下記のサイトで全文が公開されました。

 『こんとんの居場所』著者、山野辺太郎さんインタビュー。「死とは渾沌へ還ることなのかもしれない」(クロワッサンONLINE)
 https://croissant-online.jp/life/200389/

人間と人間でないもののあいだの小説

投稿日:

 ウェブサイト「hontoブックツリー」に5冊の本の紹介文を寄稿しました。
 『こんとんの居場所』の刊行を機にお声がけをいただき、「人間と人間でないもののあいだの小説」という題で書いてみました。
 取り上げたのは、以下の5冊です。

  • 『歌行燈・高野聖』(収録作「高野聖」、泉鏡花著)
  • 『冥途・旅順入城式』(収録作「件」、内田百閒著)
  • 『クチュクチュバーン』(吉村萬壱著)
  • 『木になった亜沙』(今村夏子著)
  • 『こんとんの居場所』(山野辺太郎著)

 下記のページに掲載されていますので、ご覧いただけますと幸いです。

 人間と人間でないもののあいだの小説(hontoブックツリー)
 https://honto.jp/booktree/detail_00017441.html

ぬるぬるの島、ハマる人間

投稿日:

 『日経新聞』6月1日付夕刊文化面「目利きが選ぶ3冊」のコーナーに、『こんとんの居場所』の書評が掲載されました。評者は陣野俊史さんです。
 見出しは〈ぬるぬるの島、ハマる人間〉。一部を引用にてご紹介します。

 ぬるぬるする「こんとん」にハマっていく主人公たちの運命や如何に! 舞台装置の捉えどころのなさと、人間たちの対比が奇妙な味わいを残す佳品。

 ぬるぬるの島、ハマる人間 陣野俊史氏が選ぶ一冊(日本経済新聞)
 (ウェブ上では、サイトの会員向けコンテンツとして掲載されています)
 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD262W60W3A520C2000000/

『毎日新聞』で『こんとんの居場所』が取り上げられました

投稿日:

 『毎日新聞』5月31日付夕刊の文化面に、『こんとんの居場所』の紹介記事が掲載されました。ご執筆は同紙記者の関雄輔さんです。
 山野辺の発言箇所をいくつか引用にてご紹介します。

「人間のように物事を認識し、認識される存在にしようとした結果、渾沌は死んでしまう。えたいの知れない存在ですが、有限である生き物の可能性を解き放ってくれる気がして、そこから発想が広がっていきました」
(中略)
「生き物は死に宿命づけられていて、人間である以上、自分もそれを免れられない。そのことへの本能的な恐怖心からでしょうか。生死の境界を超越する存在への憧れがあります」
(中略)
「小説は言葉だけで表現する。手段が限られているようだけど、むしろここが一番広いのではないかと感じました」
(中略)
「勤め人としての生活と、そこに収まりきらない何か。その二つの要素を常に意識しています」

 Interview 山野辺太郎さん(作家) 「生死超えた存在に憧れ」 新刊刊行、山野辺ワールド凝縮(毎日新聞)
 (ウェブ上では、サイトの会員向けコンテンツとして掲載されています)
 https://mainichi.jp/articles/20230531/dde/014/040/003000c

『読売新聞』と『河北新報』に『こんとんの居場所』の記事が載りました

投稿日:

 

 5月7日、『こんとんの居場所』刊行記念トークイベントが「BOOK SPACEあらえみし」(仙台フォーラス3階)で開催されました。
 当日は新聞2社の取材があり、『読売新聞』5月8日朝刊の地域面(宮城版)と、『河北新報』5月18日朝刊の文化面に記事が載りました。後者は河北新報記者・菊地弘志さんの署名記事です。
 一部を引用にてご紹介します。

 新作の「こんとんの居場所」(国書刊行会)は、お仕事小説のようでありながら、謎の生命体が登場し、不思議さに富んだ独特の世界を構築。「(登場人物は)会社員の自分が重なり、仕事は(創作の)核になっているかも」とし、「昔から深刻な事柄や不安、恐れを、ほかの形に変えたり、引いた視点で見たりして書いている」と明かした。
(『読売新聞』5月8日朝刊)

 生から死への移行なのか、あるいは生死の境目のない存在に移ろうのかは判然としない。山野辺さんは「生の終焉、断絶と捉えるというより、大きな流れの中での一つの変化という見方もできるのではないか」と自作を解説する。
(中略)
「ベースに現実的なものがある。見方を変える何かが投げ込まれることで違う世界に行くけれど、現実をもう1回捉え直す機会にもなる」
(中略)
 文学に傾倒した高校時代は太宰治に親しんだ。「深刻な状況だからこそ、視点を変えることで笑いが生まれる。笑いを大事にしたい」。少し引いたところに立つと悲劇だったものが喜劇に映るという。
(『河北新報』5月18日朝刊)

 河北新報の記事はウェブでも公開されています(会員記事)。

 仙台出身の作家 山野辺太郎さん 新刊「こんとんの居場所」 死生観 不思議な世界で(河北新報)
 https://kahoku.news/articles/20230518khn000015.html

『こんとんの居場所』刊行記念トークイベント

投稿日:

 『こんとんの居場所』(国書刊行会)の刊行を記念して、トークイベントを開催することになりました。

 『こんとんの居場所』刊行記念 山野辺太郎トークイベント
 聞き手:荒蝦夷・土方正志さん
 2023年5月7日(日)13:00〜
 仙台フォーラス3階・BOOK SPACE あらえみし

 聞き手を務めてくださる土方正志さんは、仙台の出版社・荒蝦夷の代表であり、編集者としても文筆家としてもご活躍されています。河北新報に「仙台発出版こぼれ話」を連載中です。
 『こんとんの居場所』をめぐるあれこれ、これまで書いてきた小説やこれからのこと、育った土地である仙台との縁についてなど、お話しすることになるのではないかと思っています。

 入場無料で先着20名様、お申し込みのうえご参加いただけます。ご来場をお待ちしております。

 お申し込みはこちらから(荒蝦夷)
 https://forms.gle/ckUhM34daKDrDztV8

 BOOK SPACE あらえみし(仙台フォーラス)
 https://www.forus.co.jp/sendai/shop/5981

『こんとんの居場所』冒頭朗読の動画をYouTubeで公開

投稿日:

 デビュー以来3冊目の単行本『こんとんの居場所』(国書刊行会)の刊行を記念して、冒頭朗読の動画をYouTube「山野辺太郎チャンネル」にて公開しました。

 「渾沌島取材記者/経験不問要覚悟/長期可薄給裸有」

 山野辺太郎「こんとんの居場所」作者による冒頭朗読(YouTube)
 https://youtube.com/watch?v=_LIl3bQMAzs

 下記のサイトにて、他の発表作の冒頭朗読も公開中です。

 山野辺太郎チャンネル(YouTube)
 https://youtube.com/c/yamanobe_taro

『こんとんの居場所』発売しました!

投稿日:

 新刊『こんとんの居場所』が国書刊行会より発売となりました。

 謎の生命体「こんとん」の取材記者として調査船に乗り込んだ男女。たどり着いた島=こんとんの上で、二人が見たものとは……。(「こんとんの居場所」)

 防衛省のシステムに侵入した天才少年ハッカーが開いたのは、人類を“次の段階”に進める禁断の扉だった。人々が次々と人間の姿を失っていく中、ある親子が再会する。(「白い霧」)

 それは滅びか、救済か――。
 文藝賞受賞作『いつか深い穴に落ちるまで』(2018)、『孤島の飛来人』(2022)に続く、現代文学の異才による最新作品集!
(hanmoto.comの紹介文より)

 赤坂真理さんとラランド・ニシダさんより、推薦の言葉を寄せていただきました。本の帯に記載された言葉を引用にてご紹介します。

 退屈な日常から、非日常にグラデーションで少しずつ染まっていく感覚。読書の喜びの根源に触れた気がする。
ニシダ(ラランド)

 するする運ばれていくうちに思いがけないところにいて、たとえそれが破滅かもしれなくても、笑えてしまう。ああ、言葉にだけ可能な、こんな旅があるのだ。
赤坂真理(作家)

 装丁は森敬太さん、装画はnico itoさんがご担当され、魅惑的な表紙カバーとなりました。表紙と裏表紙で絵柄が微妙に異なっています。本を手に取り、帯をそっと外して、じっくりと眺めていただけましたらと思います。

 表題作「こんとんの居場所」に「白い霧」を加えた中篇二作の作品集。どちらも広い意味での変身譚となっています。
 お読みいただけましたら幸いです。

 発売に合わせて、『こんとんの居場所』のPOPを作ってみました。
 右側は本文に出てくる三行広告からの引用です。ここから主人公の旅路が始まります。
 よろしければ、画像をダウンロードしてお使いください。印刷して枠線で折りたたむと、はがきサイズになります。

 『こんとんの居場所』POP(JPEGデータ)
 https://yamanobe-taro.jp/img/conton-pop-230418.jpg

 出版社の『こんとんの居場所』紹介ページ(国書刊行会)
 https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336074720/

 『こんとんの居場所』書誌データ(版元ドットコム)
 https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784336074720

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 『こんとんの居場所』関連記事一覧
 https://yamanobe-taro.jp/?s=こんとんの居場所

新刊『こんとんの居場所』、2023年4月18日ごろ発売!

投稿日:

 2023年4月18日ごろ、小説単行本『こんとんの居場所』(国書刊行会)が発売となります。
 表題作は『小説トリッパー』’20年秋号に掲載された作品です。単行本化に際し、加筆修正をおこないました。
 さらに書き下ろしの「白い霧」を併録。人間の変容の可能性を探る二篇を収めた作品集です。

◇こんとんの居場所
 「渾沌島取材記者」を募集する三行広告にいざなわれ、青年は旅立った。旅路の果てに、青年はいかなる場所にたどり着くのか。

  いいんだよ、これで。なくなったんじゃなくて、変化しただけ。
(「こんとんの居場所」より)

◇白い霧
 家にこもってプログラミングとハッキングにいそしむ少年がいた。ネット空間の奥深くで、少年は不思議なメッセージに出会う。

  みんな蒸発。やっちゃう?[Yes/No]
(「白い霧」より)

 当サイトの「作品倉庫」に「こんとんの居場所(冒頭)」を掲載しています。

 なお、版元ドットコムによると4月18日が発売予定日となっていますが、各書店での発売日は配送状況等によって幅があるようです。

 出版社の『こんとんの居場所』紹介ページ(国書刊行会)
 https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336074720/

 『こんとんの居場所』書誌データ(版元ドットコム)
 https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784336074720

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