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小説などに関するお知らせブログ

『読売新聞』文芸月評の「恐竜時代が終わらない」評

投稿日:

 『読売新聞』2021年6月29日朝刊の文芸月評で、「恐竜時代が終わらない」が取り上げられました。評者は、武田裕芸さんです。

 狭い世界 あふれる孤独/コロナの現代 風刺巧み (読売新聞・文芸月評)
 (ウェブ上では、サイトの会員向けコンテンツとして掲載されています。一部を引用にてご紹介します)
 https://www.yomiuri.co.jp/culture/20210628-OYT8T50098/

 気鋭の作家たちの作品に、光るものがあった。文芸賞で2018年にデビューした山野辺太郎さん(45)の「恐竜時代が終わらない」(文学界)は、父から「恐竜たちの物語」を受け継いだ五十絡みの男性が主人公。彼が少年時代の父との回顧談を織り交ぜ、とつとつと語る物語には、肉食恐竜の友に食べられることで友の一部になれると信じ、命を差し出す草食恐竜の子が登場する。食う者と食われる者との間に、命の贈与による愛は成立するのか。作り話を語ることの愉快さを感じさせつつ、深遠な問いを忍ばせている。

文学とは「送りバント」である

投稿日:

 note掲載の「ちいさなへやの編集者」さん執筆の記事にて、山野辺太郎の小説が取り上げられています。
 記事の題名は、「文学とは『送りバント』である―作家・山野辺太郎のこと」。
 デビュー作「いつか深い穴に落ちるまで」に始まって、第二作「孤島の飛来人」、第三作「こんとんの居場所」、そして新作「恐竜時代が終わらない」と、これまで発表した四作品が論じられています。
 一部を引用にてご紹介します。全文は下記のサイトで読むことができます。

 山野辺太郎がえがく作品の登場人物たちからは、いつも、「受け継ぐ者」としてのつよい責任感がつたわってきます。彼らはつねに、じぶんが目撃しているもの、あるいはその人生そのものを、後続の世代へとなんとかしてつないでいこうとつとめています。

 文学とは「送りバント」である―作家・山野辺太郎のこと(note)
 https://note.com/chiisana_heya/n/na742fcf44934

「恐竜時代が終わらない」が『文學界』7月号に載りました

投稿日:

  

 新作「恐竜時代が終わらない」が『文學界』7月号〔6月7日発売〕に掲載されました。
 太古の昔、恐竜時代から伝わる出来事の記憶。その話を受け継いだ男が長年の沈黙を破ってついに語りだす——。
 ジュラ紀の森と、埼玉の飯能・所沢をおもな舞台にした小説です。
 小説の冒頭を、作者による朗読にてご紹介いたします。

 山野辺太郎「恐竜時代が終わらない」作者による冒頭朗読(YouTube)
 https://www.youtube.com/watch?v=i2yoldshOUs

 掲載誌の情報はこちらです。

 『文學界』2021年7月号の紹介ページ
 https://www.bunshun.co.jp/business/bungakukai/backnumber.html?itemid=399

【追記】
 YouTubeに「山野辺太郎チャンネル」を開設し、冒頭朗読のロングバージョン(約8分)をアップしました。以前のショートバージョンと差し替えています。

新作「恐竜時代が終わらない」

投稿日:

 6月7日発売の『文學界』7月号に、新作が掲載されます。
 「恐竜時代が終わらない」、約二三〇枚。
 一億五千万年の昔から伝えられてきた話です。
 ご一読いただけましたら幸いです。

【追記】
 当サイトのお知らせブログのなかで「恐竜時代が終わらない」に言及した記事の一覧。
 https://yamanobe-taro.jp/?s=恐竜時代が終わらない

 下記のサイトで小説の冒頭をお読みいただけます。

 恐竜時代が終わらない 文學界7月号|ちょい読み – 本の話
 https://books.bunshun.jp/articles/-/6316

『小説トリッパー』文芸季評の「こんとんの居場所」評

投稿日:

 『小説トリッパー』2020年冬号〔12月18日発売〕の文芸季評で、「こんとんの居場所」が取り上げられました。評者は、中村真理子さんです。
 一部を引用にてご紹介します。

 わからないままの良さは確かにある。(中略)「こんとん」へと取材の旅に出る。わからないままそれに同化してゆく濃密な快楽がある

『図書新聞』文芸時評の「こんとんの居場所」評

投稿日:

 『図書新聞』2020年12月12日号〔12月5日発売〕の文芸時評で、「こんとんの居場所」が取り上げられました。評者は、岡和田晃さんです。
 文芸時評の見出しは「〈書くことの根拠〉を創造する地下茎の連帯」。一部を引用にてご紹介します。

 山野辺太郎「こんとんの居場所」(「小説トリッパー」)は、〈書くことの根拠〉を複数の場所に設置しなければ書けない類の壮大な幻想が展開されている。

『読売新聞』文芸月評の「こんとんの居場所」評

投稿日:

 『読売新聞』2020年9月29日朝刊の文芸月評で、「こんとんの居場所」が取り上げられました。評者は、待田晋哉さんです。

 恋する者の「空」を形に/古典と溶け合い 浮かぶ人の業 (読売新聞・文芸月評)
 (ウェブ上では、サイトの会員向けコンテンツとして掲載されています。一部を引用にてご紹介します)
 https://www.yomiuri.co.jp/culture/20200928-OYT8T50188/

 心の飢えを満たす、ふくよかな膨らみのある小説もあった。
 2018年の文芸賞でデビューした山野辺太郎さん(44)の「こんとんの居場所」(小説トリッパー秋季号)は、飛躍の一作だ。
 (中略)電車で房総の海辺の町を訪ね、「こんとん」なるものの正体を突き止めにゆくことになる。繰り出される話のえたいの知れなさ

「こんとんの居場所」が『小説トリッパー』秋号に載りました

投稿日:

 

 小説「こんとんの居場所」が、『小説トリッパー』秋号〔9月18日発売〕に掲載されました。

 「渾沌島取材記者/経験不問要覚悟……」
 求人の三行広告に導かれて、主人公・純一は旅立ちます。
 「こんとん」について探る使命をいだいて、純一のたどり着いた場所とは……。

 『小説トリッパー』2020年秋号の紹介ページ
 https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=22233

小説「こんとんの居場所」がゲラになりました

投稿日:

 改稿を続けてきた小説が一本、ゲラ(校正刷り)になりました。ここから掲載に向けて最後の仕上げに取り組みます。
 「こんとんの居場所」という約二百枚の小説で、『小説トリッパー』秋号(朝日新聞出版、9月18日発売)に掲載予定です。
 デビュー以来、三作目の小説となります。
 どうぞよろしくお願いいたします。

近況報告・2020年6月

投稿日:

 なかなかご報告するような近況もないまま、ときが経ちました。
 小説を書きつつ勤め人をしており、新型コロナ対策で四月上旬から在宅での勤務が中心になっています。寝床から十秒で職場にたどり着けるのが利点ですが、運動不足の結果が体重計に数値として表れてきているのが悩みどころです。
 会社に行かなければできない仕事もあるものの、在宅でもある程度は対応できるとなると、果たして今後、週に五日も満員電車に揺られて出社する必然性があるのだろうかという気もしてきます。少なからぬ人が今回、やむをえず始めた新しい勤務形態に味を占めてしまったとすると、働き方の常識というものがこれから大きく変わってゆくのではないかという予感がします。
 人々が集まることも、表情を見せることも、触れ合うことも、人間にとって大切なことでありながら、注意深くおこなわなければならないことになってしまいました。極端な制限は一時的なものかもしれませんが、その痕跡は人々の心理に食い込み、尾を引くのではないでしょうか。社会の価値観が変容しつつあるのだとすれば、失われかけているコロナ前の生活の感触こそ、記憶にとどめ、書き残しておくべきことではないかと感じています。それとともに、いかなる変化が進行しているのかということにも目をこらしてゆかなければと思います。
 長いものであれ、短いものであれ、いずれまた作品を発表する機会があれば、この場であらためてご報告いたします。




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