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小説などに関するお知らせブログ

「河北抄」で「大観音の傾き」が取り上げられました

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 『河北新報』6月4日付夕刊1面のコラム「河北抄」にて、「大観音の傾き」が取り上げられました。仙台大観音の造立以来の歩みや、生みの親である菅原萬氏の思いとともに紹介されています。
 一部を引用にてご紹介します。

 本紙日曜朝刊に連載中の小説『大観音の傾き』は、仙台市泉区の仙台大観音がモチーフ。仙台出身で東京在住の作家山野辺太郎さん(48)が、市職員や住⺠を巻き込んだ騒動を軽妙に描き出す。
 大観音はバブル経済が終幕を迎える1991年に完成した。(中略)
 丘陵地に出現した高さ100メートルの巨像は唐突な印象を与え、地元の反応は必ずしも歓迎ばかりでなかった。(中略)
 外国人観光客の人気を集めるなど徐々に認知度も高まり、三十数年がたって大観音の胸中にも迫る小説がお目見えした。内なる声をしかと聞きたい。

 河北抄(6/4):本紙日曜朝刊に連載中の小説『大観音の傾き…(河北新報オンライン)
 (ウェブ上では、サイトの会員向けコンテンツとして掲載されています)
 https://kahoku.news/articles/20240604khn000020.html

『恐竜時代が終わらない』著者インタビューの動画がYouTubeで公開されました

投稿日:

 新刊『恐竜時代が終わらない』(書肆侃侃房)著者インタビューの動画が公開されました。福岡の版元・書肆侃侃房の直営書店「本のあるところ ajiro」にて撮影したものです。ご覧いただけますと幸いです。

 「なんでお父さんは恐竜時代の話を知ってるの、っていうと……」

 山野辺太郎『恐竜時代が終わらない』著者の語る本書の魅力(YouTube「書肆侃侃房/本のあるところ ajiro」チャンネル)
 https://youtube.com/watch?v=4RNT3IgQhyM

『週刊文春』に『恐竜時代が終わらない』の書評が載りました

投稿日:

 

 『週刊文春』5月30日号(5月23日発売)の「文春図書館 今週の必読」コーナーに、『恐竜時代が終わらない』の書評が載りました。評者は左沢森さんです。
 一部を引用にてご紹介します。

《恐竜時代の出来事のお話をぜひ聞かせていただきたい》。世界オーラルヒストリー学会の蓮田由理子なる人物から、奇妙な依頼を受けた岡島謙吾。恐竜時代の出来事というのは、かつて謙吾の父が夜な夜な語り聞かせてくれたジュラ紀のストーリーだ。父もまたその父から聞き繋いだという太古から伝わる物語の噂は、なぜか遠く九州までも届いているそう。謙吾は都内の学会でわずかな聴衆に向けて語り始める。ブラキオサウルスのエミリオ、アロサウルスのガビノらが登場する魅力的な恋物語は、謙吾自身が「絶えず修繕を重ね」たと言うように、語り手の個人史をどこか反映しているように見える。
 最後にどんな結末が待っていようと、こうして恐竜時代の記憶は終わらずに、引き継がれていくことになる。恐竜が恐竜を食べるように、血や肉になり栄養分となって種族を超えていく。(中略)
 冒頭の時点には戻らずに、どこか投げっぱなしに終わっていくラストがいい。山野辺太郎の語りは物語的円環の中に閉じることなく、誰かに語り直されることを待っているようだ。

 「文春オンライン」の下記ページにて全文をお読みいただけます。

 父が夜な夜な語り聞かせてくれた「魅力的な恋物語」そこに現れた“ごく個人的な記憶”とは…/左沢森が『恐竜時代が終わらない』(山野辺太郎 著)を読む〔文春オンライン〕
 https://bunshun.jp/articles/-/70993

『恐竜時代が終わらない』発売しました!

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 新刊『恐竜時代が終わらない』が書肆侃侃房より発売となりました。
 本の帯に、堀江敏幸さんから推薦の言葉を寄せていただきました。

 やわらかい言葉と適度なペーソスで、作者は奇想を真実に変える。「恐竜時代」とは、人を信じるための胸のくぼみに積み重ねられた、記憶の帯だ。私たちの心の地層の底にもそれは眠っていて、あなたに掘り起こされる日を静かに待っている。
——堀江敏幸

 装丁はアルビレオさん、装画はひうち棚さんがご担当くださいました。愛らしさとなつかしさ、そしてほのかな哀感が同居した、すてきな表紙カバーになったと思います。
 帯の裏には、作品の紹介文が載っています。

「恐竜時代の出来事のお話をぜひ聞かせていただきたい」。ある日「世界オーラルヒストリー学会」から届いた一通の手紙には、こう記されていた。
 少年時代に行方をくらました父が、かつてわたしに伝えた恐竜時代の記憶。語り継ぐ相手のいないまま中年となったわたしは、心のうちにしまい込んだ恐竜たちの物語――草食恐竜の男の子と肉食恐竜の男の子との間に芽生えた切ない感情の行方を、聴衆の前で語りはじめる。
 食う者と食われる者、遺す者と遺される者のリレーのなかで繰り返される命の循環と記憶の伝承を描く長編小説。
 表題作ほか、書き下ろし作品「最後のドッジボール」を収録。
 リアルにファンタジーが溶け出し、新たな世界へと導く山野辺太郎の真骨頂!

 表題作「恐竜時代が終わらない」は『文學界』’21年7月号に掲載。併録作「最後のドッジボール」は書き下ろしです。どちらも父と子をめぐる話でありつつ、長篇と短篇、「終わらない」と「最後」、埼玉県の西と東、というように対をなしているところもあります。
 お読みいただけましたら幸いです。

 YouTube「山野辺太郎チャンネル」では、冒頭朗読の動画を公開しています。試し聴きを、どうぞ。

 山野辺太郎「恐竜時代が終わらない」作者による冒頭朗読(YouTube)
 https://youtube.com/watch?v=i2yoldshOUs

 出版社の『恐竜時代が終わらない』紹介ページ(書肆侃侃房)
 http://www.kankanbou.com/books/novel/0625

 『恐竜時代が終わらない』を書店サイトで探す
 amazone-honhontohonyaclubkinokuniyarakuten

 『恐竜時代が終わらない』関連記事一覧
 https://yamanobe-taro.jp/?s=恐竜時代が終わらない

新刊『恐竜時代が終わらない』、2024年5月中旬発売!

投稿日:

 2024年5月中旬、小説単行本『恐竜時代が終わらない』(書肆侃侃房)が発売となります。
 表題作は『文學界』’21年7月号に掲載。書き下ろしの「最後のドッジボール」と併せて、父と子をめぐる長短二篇を収めました。

◇恐竜時代が終わらない
 世界オーラルヒストリー学会からの招きを受けて、男は胸のうちに秘めてきた「恐竜時代の出来事」を恐る恐る語りだす。

「僕に、咬みついてもいいんだよ」
(「恐竜時代が終わらない」より)

◇最後のドッジボール
 子供のころに聞いた、ドッジボールにまつわる父の秘密。大人になった「僕」は、ふたたび秘密の扉のまえに立つ。

「それは知らない。お父さんに訊いてみれば?」
(「最後のドッジボール」より)

 当サイトの「作品倉庫」に「恐竜時代が終わらない(冒頭)」を掲載しています。
 下記リンク先のYouTubeでは、朗読動画を公開中です。

 山野辺太郎「恐竜時代が終わらない」作者による冒頭朗読(YouTube)
 https://youtube.com/watch?v=i2yoldshOUs

 出版社の『恐竜時代が終わらない』紹介ページ(書肆侃侃房)
 http://www.kankanbou.com/books/novel/0625

 『恐竜時代が終わらない』を書店サイトで探す
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「大観音の傾き」河北新報で連載開始

投稿日:

 『河北新報』4月7日朝刊に、連載小説「大観音の傾き」第1回《傾いているのか、いないのか》が載りました。
 冒頭を引用にてご紹介します。

 東北の大きな街の丘のうえに、白くて異様に巨大なものがそびえ立っている。全身純白の大観音だ。そのすぐ近くまで、ついに修司はやってきた。
 真正面に立って視線をゆっくり傾けてゆくと、ほとんど真上を見るくらいに至ったところで、ようやく巨像の顔に行き着いた。思わず、ため息が漏れる。こんなに近づいても、顔まではまだ遠い。ふっくらとしてつややかな頬の白さに、呆然と目を向けていた。
 丘に立つ大観音は、ずっと離れたところからでもよく見えた。修司もこの街で暮らしはじめて以来、ときおり視界に姿を認めてきた。あるときは駅前の三十階を超すビルの展望台から、またあるときは古城の跡の青葉が茂る山のうえから、遠くを眺めていた折のことだ。ニュータウンの街並みと山林の入り交じる景色に少しも溶け込むことなく、真っ白に屹立した存在が、違和感とともに目に飛び込んできたものだった。

 仙台に実在する高さ百メートルの大観音をモチーフとした小説です。毎週日曜、読書面(「東北の文芸」面)での連載となります。
 樋口佳絵さんご担当の挿絵にも、ぜひご注目いただけたらと思っています。
 下記のオンライン版でも、無料の会員登録で全文が読めます。

 〈大観音の傾き(1)〉傾いているのか、いないのか 山野辺太郎(河北新報オンライン)
 https://kahoku.news/articles/20240407khn000015.html

 今後、第2回以降も下記のバックナンバー一覧から読めます。

 【ニュース】大観音の傾き(河北新報オンライン)
 https://kahoku.news/tag/大観音の傾き

『河北新報』に連載開始のインタビュー記事が載りました

投稿日:

 『河北新報』4月3日付朝刊の文化面に、連載小説「大観音の傾き」開始にあたってのインタビュー記事が掲載されました。見出しは「孤独に屹立 自分と重なる」。ご執筆は同紙記者の菊地弘志さんです。
 山野辺の発言箇所の一部を引用にてご紹介します。「なぜ仙台大観音を取り上げたのでしょうか」という質問に答えた箇所です。

「市西部の新興住宅地に引っ越したのが高校に入った1991年春。その秋に大観音が完成し、そう遠くない距離に大観音の姿が見えました。山の中、ニュータウンの片隅に、巨大な白い像が屹立しているのです。強烈な異彩に戸惑いつつも目を離せませんでした」
「本来ありがたい存在なのでしょうが、違和感を伴って圧倒的な大きさで視界に入る大観音に、この世になじめないでいる寂しさも感じられ、高校時代の自分とどこか重なるようなところもありました。進学で仙台を離れた後も心に残っていたのです」

 連載は4月7日より毎週日曜、読書面の一角(「東北の文芸」面)に掲載されます。

 連載小説「大観音の傾き」4月7日開始 山野辺太郎さんが抱負(河北新報オンライン)
 (ウェブ上では、サイトの会員向けコンテンツとして掲載されています)
 https://kahoku.news/articles/20240403khn000014.html

『書評キャンパスat読書人 2022』にコメントを寄せました

投稿日:

 

 『書評キャンパスat読書人 2022』が2024年2月20日に発売となりました。
 「週刊読書人」掲載の学生による書評と、著者・訳者・編集者からのアンサーコメントを集めた一冊です。
 新荘直大さんによる『孤島の飛来人』の書評を受けて、著者コメントを寄稿しました。
 下記のBooksのページに、書店の購入ページ等へのリンクがあります。

 『書評キャンパスat読書人 2022』書誌データ(Books)
 https://www.books.or.jp/book-details/9784924671645

 書評本体は下記のサイトでも公開されています。

 【孤島の飛来人/山野辺太郎】評者:新荘直大(YOMKA)
 https://yomka.net/campus20230113/

混ざり合う恐さ

投稿日:

 

 『文藝春秋』新年特大号(12月8日発売)に掲載の〈2023年「わたしのベスト3」〉にて、綿矢りささんが選んだ3冊のなかに『こんとんの居場所』がありました。
 「混ざり合う恐さ」と題された綿矢さんの文章の一部を引用にてご紹介します。

 それぞれの人たちが、生きてきた記憶が、ある出来事によって混ざり合う過程が、とても怖く面白い。同時収録の「白い霧」も人間が白い霧になって消える怪現象を軸に物語が展開され、ヘンテコだけど奇妙な魅力にあふれた作品だ。すべてフィクションの内容だと思うが、現代社会で人々の抱える、ぼんやりした不安がフィクションの形を借りて反映されている二作品のようにも感じる。

 混ざり合う恐さ 文藝春秋BOOK倶楽部特別編 2023年「わたしのベスト3」(文藝春秋)
 (ウェブ上では、サイトの会員向けコンテンツとして掲載されています)
 https://bunshun.jp/bungeishunju/articles/h7397

『みやざきぽかぽかたんか』に寄稿しました

投稿日:

 短歌誌『みやざきぽかぽかたんか』に短歌を寄稿しました。
 みやざきぽかぽか通信社・井口寿則さん発行の雑誌です。俵万智さんをはじめ、宮崎ゆかりのかたがたの短歌やエッセイが収められています。
 僕も去年、宮崎を訪れたご縁でお声がけいただきました。巻末特集「夏のうた」に、「恐竜の……」で始まる短歌を寄稿しています。

 2023年11月11日(土)開催の文学フリマ東京37や、11月26日(日)に宮崎で開催されたZine it!にて頒布されました。
 また、下記のサイトから通販でも購入できます。

 みやざきぽかぽかたんか(みやざきぽかぽか通信社)
 https://ugetsunasuharu.booth.pm/items/5246493




yamanobe-taro.jp