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小説などに関するお知らせブログ

『毎日新聞』で『こんとんの居場所』が取り上げられました

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 『毎日新聞』5月31日付夕刊の文化面に、『こんとんの居場所』の紹介記事が掲載されました。ご執筆は同紙記者の関雄輔さんです。
 山野辺の発言箇所をいくつか引用にてご紹介します。

「人間のように物事を認識し、認識される存在にしようとした結果、渾沌は死んでしまう。えたいの知れない存在ですが、有限である生き物の可能性を解き放ってくれる気がして、そこから発想が広がっていきました」
(中略)
「生き物は死に宿命づけられていて、人間である以上、自分もそれを免れられない。そのことへの本能的な恐怖心からでしょうか。生死の境界を超越する存在への憧れがあります」
(中略)
「小説は言葉だけで表現する。手段が限られているようだけど、むしろここが一番広いのではないかと感じました」
(中略)
「勤め人としての生活と、そこに収まりきらない何か。その二つの要素を常に意識しています」

 Interview 山野辺太郎さん(作家) 「生死超えた存在に憧れ」 新刊刊行、山野辺ワールド凝縮(毎日新聞)
 (ウェブ上では、サイトの会員向けコンテンツとして掲載されています)
 https://mainichi.jp/articles/20230531/dde/014/040/003000c

『読売新聞』と『河北新報』に『こんとんの居場所』の記事が載りました

投稿日:

 

 5月7日、『こんとんの居場所』刊行記念トークイベントが「BOOK SPACEあらえみし」(仙台フォーラス3階)で開催されました。
 当日は新聞2社の取材があり、『読売新聞』5月8日朝刊の地域面(宮城版)と、『河北新報』5月18日朝刊の文化面に記事が載りました。後者は河北新報記者・菊地弘志さんの署名記事です。
 一部を引用にてご紹介します。

 新作の「こんとんの居場所」(国書刊行会)は、お仕事小説のようでありながら、謎の生命体が登場し、不思議さに富んだ独特の世界を構築。「(登場人物は)会社員の自分が重なり、仕事は(創作の)核になっているかも」とし、「昔から深刻な事柄や不安、恐れを、ほかの形に変えたり、引いた視点で見たりして書いている」と明かした。
(『読売新聞』5月8日朝刊)

 生から死への移行なのか、あるいは生死の境目のない存在に移ろうのかは判然としない。山野辺さんは「生の終焉、断絶と捉えるというより、大きな流れの中での一つの変化という見方もできるのではないか」と自作を解説する。
(中略)
「ベースに現実的なものがある。見方を変える何かが投げ込まれることで違う世界に行くけれど、現実をもう1回捉え直す機会にもなる」
(中略)
 文学に傾倒した高校時代は太宰治に親しんだ。「深刻な状況だからこそ、視点を変えることで笑いが生まれる。笑いを大事にしたい」。少し引いたところに立つと悲劇だったものが喜劇に映るという。
(『河北新報』5月18日朝刊)

 河北新報の記事はウェブでも公開されています(会員記事)。

 仙台出身の作家 山野辺太郎さん 新刊「こんとんの居場所」 死生観 不思議な世界で(河北新報)
 https://kahoku.news/articles/20230518khn000015.html

『こんとんの居場所』刊行記念トークイベント

投稿日:

 『こんとんの居場所』(国書刊行会)の刊行を記念して、トークイベントを開催することになりました。

 『こんとんの居場所』刊行記念 山野辺太郎トークイベント
 聞き手:荒蝦夷・土方正志さん
 2023年5月7日(日)13:00〜
 仙台フォーラス3階・BOOK SPACE あらえみし

 聞き手を務めてくださる土方正志さんは、仙台の出版社・荒蝦夷の代表であり、編集者としても文筆家としてもご活躍されています。河北新報に「仙台発出版こぼれ話」を連載中です。
 『こんとんの居場所』をめぐるあれこれ、これまで書いてきた小説やこれからのこと、育った土地である仙台との縁についてなど、お話しすることになるのではないかと思っています。

 入場無料で先着20名様、お申し込みのうえご参加いただけます。ご来場をお待ちしております。

 お申し込みはこちらから(荒蝦夷)
 https://forms.gle/ckUhM34daKDrDztV8

 BOOK SPACE あらえみし(仙台フォーラス)
 https://www.forus.co.jp/sendai/shop/5981

『こんとんの居場所』冒頭朗読の動画をYouTubeで公開

投稿日:

 デビュー以来3冊目の単行本『こんとんの居場所』(国書刊行会)の刊行を記念して、冒頭朗読の動画をYouTube「山野辺太郎チャンネル」にて公開しました。

 「渾沌島取材記者/経験不問要覚悟/長期可薄給裸有」

 山野辺太郎「こんとんの居場所」作者による冒頭朗読(YouTube)
 https://youtube.com/watch?v=_LIl3bQMAzs

 下記のサイトにて、他の発表作の冒頭朗読も公開中です。

 山野辺太郎チャンネル(YouTube)
 https://youtube.com/c/yamanobe_taro

『こんとんの居場所』発売しました!

投稿日:

 新刊『こんとんの居場所』が国書刊行会より発売となりました。

 謎の生命体「こんとん」の取材記者として調査船に乗り込んだ男女。たどり着いた島=こんとんの上で、二人が見たものとは……。(「こんとんの居場所」)

 防衛省のシステムに侵入した天才少年ハッカーが開いたのは、人類を“次の段階”に進める禁断の扉だった。人々が次々と人間の姿を失っていく中、ある親子が再会する。(「白い霧」)

 それは滅びか、救済か――。
 文藝賞受賞作『いつか深い穴に落ちるまで』(2018)、『孤島の飛来人』(2022)に続く、現代文学の異才による最新作品集!
(hanmoto.comの紹介文より)

 赤坂真理さんとラランド・ニシダさんより、推薦の言葉を寄せていただきました。本の帯に記載された言葉を引用にてご紹介します。

 退屈な日常から、非日常にグラデーションで少しずつ染まっていく感覚。読書の喜びの根源に触れた気がする。
ニシダ(ラランド)

 するする運ばれていくうちに思いがけないところにいて、たとえそれが破滅かもしれなくても、笑えてしまう。ああ、言葉にだけ可能な、こんな旅があるのだ。
赤坂真理(作家)

 装丁は森敬太さん、装画はnico itoさんがご担当され、魅惑的な表紙カバーとなりました。表紙と裏表紙で絵柄が微妙に異なっています。本を手に取り、帯をそっと外して、じっくりと眺めていただけましたらと思います。

 表題作「こんとんの居場所」に「白い霧」を加えた中篇二作の作品集。どちらも広い意味での変身譚となっています。
 お読みいただけましたら幸いです。

 発売に合わせて、『こんとんの居場所』のPOPを作ってみました。
 右側は本文に出てくる三行広告からの引用です。ここから主人公の旅路が始まります。
 書店での本のPR用などに、画像をダウンロードしてご自由にお使いください。
 印刷して枠線で折りたたむと、はがきサイズになります。

 『こんとんの居場所』POP(JPEGデータ)
 https://yamanobe-taro.jp/img/conton-pop-230418.jpg

 出版社の『こんとんの居場所』紹介ページ(国書刊行会)
 https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336074720/

 『こんとんの居場所』書誌データ(版元ドットコム)
 https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784336074720

 『こんとんの居場所』を書店サイトで探す
 amazone-honhontohonyaclubkinokuniyarakutentsutaya

新刊『こんとんの居場所』、2023年4月18日ごろ発売!

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 2023年4月18日ごろ、小説単行本『こんとんの居場所』(国書刊行会)が発売となります。
 表題作は『小説トリッパー』’20年秋号に掲載された作品です。単行本化に際し、加筆修正をおこないました。
 さらに書き下ろしの「白い霧」を併録。人間の変容の可能性を探る二篇を収めた作品集です。

◇こんとんの居場所
 「渾沌島取材記者」を募集する三行広告にいざなわれ、青年は旅立った。旅路の果てに、青年はいかなる場所にたどり着くのか。

  いいんだよ、これで。なくなったんじゃなくて、変化しただけ。
(「こんとんの居場所」より)

◇白い霧
 家にこもってプログラミングとハッキングにいそしむ少年がいた。ネット空間の奥深くで、少年は不思議なメッセージに出会う。

  みんな蒸発。やっちゃう?[Yes/No]
(「白い霧」より)

 当サイトの「作品倉庫」に「こんとんの居場所(冒頭)」を掲載しています。

 なお、版元ドットコムによると4月18日が発売予定日となっていますが、各書店での発売日は配送状況等によって幅があるようです。

 出版社の『こんとんの居場所』紹介ページ(国書刊行会)
 https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336074720/

 『こんとんの居場所』書誌データ(版元ドットコム)
 https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784336074720

 『こんとんの居場所』を書店サイトで探す
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『村田喜代子の本よみ講座』で『いつか深い穴に落ちるまで』が取り上げられました

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 『村田喜代子の本よみ講座』(中央公論新社、2023年3月刊)にて、『いつか深い穴に落ちるまで』が取り上げられました。
 一部を引用にてご紹介します。

 敗戦で落としそびれた部下と上司の命の生かしどころが、じつは底のない穴掘削事業に向かわせる。虚と実とを巧みに綯い交ぜた文章で、あり得ないホラ話に乗せられていきます。

 本書ではほかに、クリスタ・ヴォルフ『チェルノブイリ原発事故』、内田百閒「坂の夢」、稲垣足穂「ファルマン」、ガルシア=マルケス「大きな翼を持った老人」などが取り上げられています。

 『村田喜代子の本よみ講座』書誌データ(版元ドットコム)
 https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784120056369

『週刊読書人』書評キャンパス欄の『孤島の飛来人』評

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 『週刊読書人』1月13日号の書評キャンパス欄にて、『孤島の飛来人』が取り上げられました。同欄は、学生がおすすめの本を書評するコーナー。評者は東大大学院の新荘直大さんです。
 一部を引用にてご紹介します。

 本書がとりわけ興味深いのは、「書く」ことへの鋭い意識と、その相互性である。(中略)忘却に抗うように、伝え、書き残そうとする「僕」の業務日誌は、本書『孤島の飛来人』そのものと重なりあうかのようである。そのことによって、読者さえも相互性の一部となり、歴史の内部と外部のあわいで、慎ましく生きながらも、忘れ去られることに抵抗する彼らの証人のひとりとなるだろう。本書を読み、語ることは、彼らの生を引き継いでいく相互性のなかに参加していくことに他ならない。本を閉じたとき、不思議な感動と余韻とともに現れる風船を背に飛び立つひとりの飛来人の姿は、我々読者のことでもあるのだ。

 書評キャンパス―大学生がススメる本― 孤島の飛来人(読書人WEB)
 (ウェブ上では、サイトの会員向けコンテンツとして掲載されています)
 https://jinnet.dokushojin.com/blogs/review/20230113_01

【追記】
 下記のサイトでも公開されています。

 【孤島の飛来人/山野辺太郎】評者:新荘直大(YOMKA)
 https://yomka.net/campus20230113/

『河北新報』で『孤島の飛来人』が取り上げられました

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 『河北新報』12月6日付朝刊の文化面に、『孤島の飛来人』の紹介記事が掲載されました。見出しは「戦争の記憶 現代につなぐ」。ご執筆は同紙記者の阿曽恵さんです。
 山野辺の発言箇所を中心に、一部を引用にてご紹介します。

「小説は史実と接点を持ちながら、ある地点で離陸する。もしこうだったらどうかという別な複数の視点を持つことは、史実を立体的に捉えるきっかけになるんじゃないか」
(中略)
「戦後77年がたち、実体験として語れる人はごくわずか。直接経験していない世代がいかに語っていくか、いかに自分たちの想像力の中に呼び覚ませるか。意識せざるを得ません」
(中略)
 巻末には「孤島をめぐる本と旅」と題する短編も収録した。著者自身を思わせる主人公が、影響を受けた本や硫黄列島への船旅についてつづり、さながら本編のメーキング。「僕の小説を入り口にして歴史に興味を持ってもらえたら」。あふれるサービス精神と謙虚さが伝わってきた。

 東北・宮城の新聞ということで、インタビューを受けた際には地元出身の作家という視点からもご質問をいただき、お話をしました。戦争のために人々が故郷を追われた北硫黄島を舞台とした小説を書きながら、震災のことを思い起こす折があった、といったことを述べました。

 戦争の記憶 現代につなぐ 仙台出身・山野辺太郎さん 新刊「孤島の飛来人」(河北新報)
 (ウェブ上では、サイトの会員向けコンテンツとして掲載されています)
 https://kahoku.news/articles/20221206khn000009.html

『孤島の飛来人』のPOPを作りました

投稿日:

 『孤島の飛来人』(中央公論新社)のPOPを作りました。
 発売以来、皆さまからさまざまな応援をいただいてきました。作者としてももうひと踏ん張りと思い、作ってみた次第です。
 印刷して枠線で切り取るか折りたたむと、はがきサイズになります。
 書店での本のPR用などに、データをダウンロードしてご自由にお使いいただけましたら幸いです。

 『孤島の飛来人』POP(JPEGデータ)
 https://yamanobe-taro.jp/img/koto-pop-221206.jpg

【追記】
 POPに〈『河北新報』(12/6朝刊)〉を加筆しました。




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