山野辺太郎のウェブサイト


info

小説などに関するお知らせブログ

金太郎飴

投稿日:

 磯﨑憲一郎さんの著書『金太郎飴』(河出書房新社、2019年12月)が発売になりました。2007年から2019年までのエッセイ・対談・評論・インタビューを収めた一冊。
 磯﨑さんと山野辺の対談「百年前の作家から励まされる仕事」(p.463)や、文藝賞選評(p.459)、朝日新聞文芸時評(p.421)にて、『いつか深い穴に落ちるまで』を取り上げていただいています。

 『金太郎飴』の紹介ページ
 http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309028514/

『小説トリッパー』文芸季評の「孤島の飛来人」評

投稿日:

 『小説トリッパー』2019年冬号〔12月18日発売〕の文芸季評で、「孤島の飛来人」が取り上げられました。評者は、中村真理子さんです。
 一部を引用にてご紹介します。

 飛ぶまでがデビュー作なら、飛んだ後を描いたのが二作目。島に流れ着き、牢屋に捕らわれた「僕」は、看守の大木から聞き取りを進め、徐々に島の成り立ちを理解してゆく。大木はかつて仙台から流れ着き、牢で横穴を掘っていた。いつか誰かが逃げ出すための横穴を。
 大木によって語られる島の歴史は、硫黄島の玉砕も含めて史実で驚く。人生の意味とは何か。与えられた使命を遂行することなのか。(中略)淡々とした役人文体が今作も似合っていてまた驚く。

『図書新聞』文芸時評の「孤島の飛来人」評

投稿日:

 『図書新聞』2019年12月14日号〔12月7日発売〕の文芸時評で、「孤島の飛来人」が取り上げられました。評者は、岡和田晃さんです。
 一部を引用にてご紹介します。

 デビュー作「いつか深い穴に落ちるまで」が、ヴェルヌ『地底旅行』のような(中略)“下”への物語だったとすれば、今度は『八十日間世界一周』を彷彿させる“上”への飛翔の物語であり、解放感において前作に勝る。リーダブルなのでつい物語と書いてしまったが、定型的な“物語”性への内在的批判はきちんと盛り込まれている。漂着する島も、自意識に囲われた“孤独の島”ではなく、硫黄島をめぐる歴史と周到にリンクする。

『いつか深い穴に落ちるまで』が「新人賞受賞作メッタ斬り!対談」に

投稿日:

 

 『ダ・ヴィンチ』2020年1月号〔’19年12月6日発売〕に掲載の「新人賞受賞作メッタ斬り!対談」にて、『いつか深い穴に落ちるまで』が取り上げられました。
 豊﨑由美さんと大森望さんの対談形式で、今年9月までの1年間に刊行された新人賞受賞作から選定された「推しの6冊」のうちの1冊として論じられています。
 一部を引用にてご紹介します。

 この作者はそんな科学的根拠を一切合切振り切って一本の小説を書いちゃった。その胆力に恐れ入りました。
(中略)
〈頭から落ちるか、足から落ちるか。もちろん、頭だ。頭から突っ込んでゆけば、あちらへ着いたころにはきちんと足が下になっている。真っ昼間から、真夜中へ〉。なんだか感動的。このあと、素晴らしいラストに向かいます。
(豊﨑由美さん談)

 『ダ・ヴィンチ』2020年1月号【目次】(KADOKAWA)
 https://ddnavi.com/news/581378/a/

『UOMO』2020年1月号にエッセイ「幻のマフラー」掲載

投稿日:

 

 集英社のファッション誌『UOMO』2020年1月号〔’19/11/25発売〕に、エッセイ「幻のマフラー」が載りました。
 特集「僕らが本当に贈りたくなったもの」のなかの一ページです。
 冒頭を引用にてご紹介します。

 誕生日のプレゼントに、マフラーをもらったことがある。僕はそれを幻のマフラーと呼ぶ。短いあいだだけ、僕の首まわりに寄り添ってくれた。そしてふっつりと姿を消してしまった。
(p.171)

 『UOMO』2020年1月号の紹介サイト
 https://shueisha.tameshiyo.me/4910118810100

『文學界』新人小説月評の「孤島の飛来人」評

投稿日:

 『文學界』2019年12月号〔11月7日発売〕の「新人小説月評」で、「孤島の飛来人」が取り上げられました。評者は、小川公代さんと村上克尚さんです。
 一部を引用にてご紹介します。

 企業の開発部門の実験として風船飛行を試みた『僕』が北硫黄島に不時着するという極めてユニークな設定(中略)。戦時中に硫黄島から逃れた兵士が先導して築いた王国の物語は歴史小説としての魅力もある。
(小川公代さん評)

 筋立ては荒唐無稽だが、歴史に書かれなかった声が一つの主題となっている。(中略)通常はなかったことにされてしまうような存在や言葉が、それでも未来の誰かに向けて飛び立っていくことが寓意化されていると読んだ。
(村上克尚さん評)

「孤島の飛来人」が『文藝』冬号に載りました

投稿日:

  

 小説「孤島の飛来人」が、『文藝』冬号に掲載されました。
 掲載誌は、2019年10月7日に発売開始です。
 目次に掲載されている紹介文を引用いたします。

 自動車会社で働く「僕」は六つの風船を背中に背負って、ビルの上から旅立った。目指すは父島。だがたどり着いた先は……。昨年度文藝賞受賞作「いつか深い穴に落ちるまで」に続く、受賞第一作。

 『文藝』2019年冬季号の紹介ページ
 http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309979854/

そっとページをめくる 読むことと考えること

投稿日:

 野矢茂樹さんの著書『そっとページをめくる 読むことと考えること』(岩波書店、2019年7月発行)に、『いつか深い穴に落ちるまで』の書評が掲載されています。
 かつて朝日新聞に載った書評に、野矢さんの直筆らしき、山梨ブラジル間の穴のイラストも加わっています。

 『そっとページをめくる 読むことと考えること』の紹介ページ
 https://www.iwanami.co.jp/book/b458088.html

「Webジェイ・ノベル」にエッセイ「僕の選んだ鉄道で行ける秘湯ベスト3」掲載

投稿日:

 実業之日本社の文芸ウェブマガジン「Webジェイ・ノベル」より原稿依頼を受け、「私の○○ベスト3」というコーナーにエッセイを寄稿しました。
 「僕の選んだ鉄道で行ける秘湯ベスト3」という題名で、下記のサイトからお読みいただけます。

 リレーエッセイ 私の○○ベスト3(Webジェイ・ノベル)
 https://j-nbooks.jp/novel/original.php?oKey=88
〔目次ページ → 2019.07.30、Vol.24〕

街の誇りと魅力を生みだす 宮城の100人

投稿日:

 仙台・宮城の情報誌『Kappo 仙台闊歩』2019年7月号(6月5日発売、隔月刊)の創刊100号記念特集「街の誇りと魅力を生みだす 宮城の100人」のなかで、人物紹介の記事が掲載されました。(見出し「『いつか深い穴に落ちるまで』で文藝賞受賞。次作も楽しみな新鋭」)
 宮城県内の書店・コンビニや、一部県外の書店、ネット書店等で発売。
 一部を引用にてご紹介します。

 SF的といってもいいなんともぶっ飛んだ小説だが、東日本大震災に関する記述もある。巨大な国家プロジェクトは、福島第一原発事故を思わせもする。「東京でずっと暮らしていますが、やはりぼくは自分を東北人だと思っています。東日本大震災の経験が作品にどこか影響しているのは確かです」と、山野辺さん。新たなる東北人作家の誕生である。

地球の裏側まで穴を掘れ 荒唐無稽な物語に興奮

投稿日:

 女優の美村里江さんの書評・インタビュー記事で、『いつか深い穴に落ちるまで』が取り上げられました。下記の雑誌に掲載されています。

  • 『週刊エコノミスト』2019年4月9日号(4月1日発売)の書評「読書日記」
  • 『Takashimaya Salon』2019年5月号(Vol.146)のインタビュー記事

 地球の裏側まで穴を掘れ 荒唐無稽な物語に興奮 (週刊エコノミスト・書評)
 (ウェブ上では、サイトの会員向けコンテンツとして掲載されています。3月29日配信)
 https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20190409/se1/00m/020/012000c

 時代を超えて残したい本 「本」は知らないものに出会う入り口 (Takashimaya Salon・インタビュー記事)
 (高島屋カードの会報誌に掲載。一部を引用にてご紹介します)

 こんな大ボラ話で読ませ切ってしまうのは本当に凄いことです。とんでもない話をスムーズに読ませる、山野辺太郎さんのファンになりました。異業種ながらフィクションを住処としている身として、学ぶ点も多かったですね。

『本の雑誌増刊 本屋大賞2019』など

投稿日:

 本屋大賞2019に関するムック『本の雑誌増刊 本屋大賞2019』(本の雑誌社、2019年4月9日発行)にて、『いつか深い穴に落ちるまで』が取り上げられました。「1次投票結果 書店員推薦の声」のコーナーに、ご投票いただいたかたのコメントが掲載されています(p.85)。

 また、丸善ラゾーナ川崎店発行のフリーペーパー『本屋のすすめ』(第60号、通巻102号)にて、『いつか深い穴に落ちるまで』が取り上げられました。(見出し「現代日本を映し出す法螺話」)

柔軟な発想に触れる 当たり前をぶち破る

投稿日:

 『日経ビジネス』(3月4日発行、第1981号)の「BOOK 注目の本、話題の本」のコーナー(評者・武田砂鉄さん)で、『いつか深い穴に落ちるまで』が取り上げられました。
 『段ボールはたからもの』をメインに、併せて読みたい2冊の本のうちの1冊として紹介されています。

 柔軟な発想に触れる 当たり前をぶち破る (日経ビジネス・書評)
 (ウェブ上では、サイトの会員向けコンテンツとして掲載されています。一部を引用にてご紹介します)
 https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/culture/00008/

 トリッキーな設定だが、読み進めるうちに、著者の想像力と溶解するかのように、その「穴」の存在を信じ始めてしまう。
 段ボール、発泡スチロール、穴……日常を打破する思考やアイテムは目の前にある。極端な柔軟さって大事だ。

伸縮するズレの振幅

投稿日:

 『毎日新聞』(2月27日付夕刊)文芸時評欄の「2月 私のおすすめ」(評者・大澤聡さん)で、『いつか深い穴に落ちるまで』が取り上げられました。

 伸縮するズレの振幅 (毎日新聞・文芸時評)
 (ウェブ上では、サイトの会員向けコンテンツとして掲載されています。一部を引用にてご紹介します)
 https://mainichi.jp/articles/20190227/dde/014/070/006000c

 作品それ自体が偽史一点(=「穴」)を深く深く掘り進んでゆくことで結末まで駆けぬける見立てになっている。

映画・演劇等の鑑賞記録を再公開

投稿日:

 しまい込んでいた旧blogの記事から、映画・演劇等の鑑賞記録を再公開します。
 2007年から2017年にかけての40本。取り上げた映画・演劇はいずれも劇場で観たもので、記録がてら簡単なレビューを書いていました。

 ↓blog〈鑑賞記録〉全篇はこちら
 https://yamanobe-taro.jp/blog/

 目次(日付の新しい順)

先月から今月前半にかけての『いつか深い穴に落ちるまで』評

投稿日:

 先月から今月前半にかけて、すでにご紹介した『朝日新聞』書評(評者・野矢茂樹さん)のほか、下記の雑誌・新聞で『いつか深い穴に落ちるまで』が取り上げられました。

  • 『書標(ほんのしるべ)』2019年1月号の「今月のおすすめ」(丸善ジュンク堂のPR誌)
  • 『図書新聞』2019年1月19日号(1月12日発売)の文芸時評(評者・岡和田晃さん)
  • 『週刊文春』2019年2月14日号(2月7日発売)の「私の読書日記」(評者・池澤夏樹さん)

 今月のおすすめ 文学・文芸(『書標』21ページ〔PDF上は23ページ目〕)
 https://honto.jp/library/store/news/17387/syohyo201901.pdf

『群像』2月号に随筆「北條君と過ごしたインド」掲載

投稿日:

 『群像』2019年2月号〔1月7日発売〕に随筆「北條君と過ごしたインド」を寄稿しました。
 冒頭を引用にてご紹介します。

 当面の命をつなぐためにインドへと旅立ったのは、ずいぶんとでたらめな行動だったようだけれど、いまもこうして生き延びているのだから、あながち悪い決断ではなかったに違いない。

 続きは雑誌にてお読みください。

 群像 2019年2月号 “もくじ”(講談社)
 http://gunzo.kodansha.co.jp/52563/52618.html

先月・今月の『いつか深い穴に落ちるまで』文芸季評ほか

投稿日:

 下記の雑誌にて、『いつか深い穴に落ちるまで』の文芸季評が掲載されました。

  • 『小説トリッパー』2018年冬号〔12月18日発売〕(評者・中村真理子さん)
  • 『文藝』2019年春号〔1月7日発売〕(評者・山本貴光さん)

 2誌とも季刊誌のため、発売から3ヶ月間は最新号です。

   * * *

 以前、『朝日新聞』(評者・磯﨑憲一郎さん)、『週刊新潮』(評者・栗原裕一郎さん)の文芸時評については当サイトでご紹介しましたが、ほかにも下記の新聞・雑誌の文芸時評で取り上げられました。

  • 『産経新聞』2018年10月28日付朝刊(評者・石原千秋さん)
  • 『東京新聞/中日新聞』2018年10月31日付夕刊(評者・佐々木敦さん)——『北海道新聞』『西日本新聞』にも別の日に掲載。
  • 『週刊読書人』2018年11月2日付(評者・坂口周さん)
  • 『文學界』2018年12月号「新人小説月評」(評者・日比嘉高さん、倉本さおりさん)

『ダ・ヴィンチ』2月号に『いつか深い穴に落ちるまで』著者インタビューが載りました

投稿日:

  

 『ダ・ヴィンチ』2019年2月号〔1月5日発売〕の「今月のBOOKMARK」というコーナーに、『いつか深い穴に落ちるまで』の著者インタビューが掲載されました。
 発言の一部を引用にてご紹介します。

「人間の営みは虚しいものではないかという虚無感が、心のどこかにあって。私たちは仕事をしながら生きていますが、最後には死んで無になり、長いスパンで考えれば自分の仕事も無に帰ります。それを穴や穴掘り事業として表現することで、いつかは虚無に沈むかもしれないけれど、今を精一杯生きようとする人間を描けるのではないかと思いました」

 詳しくは雑誌にて、お読みいただけますと幸いです。

 『ダ・ヴィンチ』2019年2月号【目次】(KADOKAWA)
 https://ddnavi.com/news/511069/a/




yamanobe-taro.jp